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1. 住宅ローンが払えなくなったらどうなる?滞納してからの流れ
住宅ローンが払えなくなった場合、そのまま滞納を続けると、最終的に住宅を差し押さえられて競売で売却されます。住宅ローンを滞納してから立ち退きに至るまでの、一般的な流れを解説します。
滞納1カ月から2カ月くらいで金融機関から督促状が届く
滞納が3カ月を超えるとブラックリストに載る
さらに滞納が継続すると金融機関から催告書が届く
期限の利益喪失によって一括払い請求が行われる
金融機関が抵当権を行使して住宅が差し押さえられる
現況調査後に競売にかけられて住宅を強制的に売却される
住宅から立ち退いた後も住宅ローンの残債の返済が続く
1-1. 滞納1カ月から2カ月くらいで金融機関から督促状が届く
住宅ローンの支払いを滞納して1カ月から2カ月程度経過すると、金融機関から督促状が届きます。
督促状とは、「期日を過ぎても入金が確認できないが、支払いを忘れていないか」と、事実確認の意味合いを込めて支払いを促す書面のことです。この段階ですぐに支払いを済ませるか、金融機関へ事情を説明すれば、法的措置やブラックリスト入りといった事態に発展しないのが実務上の基本です。
問題は、督促状を完全に無視した場合です。支払いや相談の連絡を一切せずに放置すると、金融機関は「払う意思がない」と判断し、債務回収に向けて本格的な対応を進めます。
なお、住宅ローンを1日でも滞納すると、契約内容に応じた「遅延損害金」が発生します。
遅延損害金の利率は金融機関によって異なりますが、一般的に年14%前後と設定されている傾向があります。支払額は「滞納している金額 × 遅延損害金の利率 × 滞納した日数 ÷ 365日(うるう年は366日)」で計算します。
1-2. 滞納が2カ月から3カ月を超えるとブラックリストに載る
住宅ローンを2カ月から3カ月程度滞納した場合、いわゆる「ブラックリスト」に載ると言われています。
なお、「ブラックリストに載る」という表現は通称であり、一般的には「信用情報機関に異動情報(長期滞納や債務整理などの金融事故の履歴)が登録されること」として使用されています。ブラックリストに載ると、日常生活での以下の行為が難しくなるとされています。
新規のクレジットカード発行や消費者金融ローンの契約
信販系保証会社を利用する賃貸契約
他の人の賃貸契約や借入などの保証人
スマートフォンの分割購入
信用情報機関の異動情報が削除されるまでの期間は、「住宅ローン契約期間中および契約終了後5年から7年」が最長です。
1-3. さらに滞納が継続すると金融機関から催告書が届く
督促状を無視して滞納を継続すると、金融機関から催告書が届きます。
督促状と異なり、催告書は滞納を続ければ法的措置に移行するという最後通告です。催告書には、「最終支払期限」「期限の利益の喪失」「一括請求」などについて厳しく記載されています。
もし催告書まで無視すると、金融機関は催告した通りに具体的な法的措置に踏み切ることも可能です。速やかに滞納分を支払うか、それが難しければ早急に金融機関や弁護士などへ相談するなどの対応が必要となります。
なお催告書は、法的措置を見据えた証拠づくりのために、内容証明郵便で送付されるのが基本です。
1-4. 期限の利益喪失によって一括払い請求が行われる
催告書が届いてからも住宅ローンの滞納を続けると、滞納後3カ月から6カ月経った頃に「期限の利益を失ったことについてのお知らせ(期限の利益喪失通知)」が届きます。
期限の利益とは、「契約で定めた返済日まではお金を全額返さなくてもよい(分割返済してもよい)」という権利です。この期限の利益がなくなると、金融機関から滞納者に対して住宅ローン残債全額の一括返済が請求されます。
ここまで住宅ローンを滞納する経済状況で、「残りの住宅ローンをすべて払ってください」と言われて対応できる人は、現実的に考えてもほとんどいないでしょう。
一括返済に応じられない場合、住宅ローンの保証会社や連帯保証人は、滞納者に代わって金融機関へ一括返済しなければなりません。保証会社が代位弁済する場合は、事前に「代位弁済予告」が滞納者に届きます。
住宅ローンの保証会社が代わりに一括返済(代位弁済)した場合、滞納者が返済義務を負う相手(債権者)は、金融機関から保証会社へと変わります。
なお、期限の利益喪失や代位弁済となったタイミングで、債権者と「任意売却」について相談が可能です。任意売却については、「任意売却について金融機関と相談する」の章をご覧ください。
1-5. 債権者が抵当権を行使して住宅が差し押さえられる
その後も滞納者が何の対応もしない場合、金融機関や保証会社などの債権者は、住宅ローンを組む際に住宅に設定した「抵当権(担保権)」を行使します。債権者が裁判所に競売を申し立てて開始決定が出ると、住宅には競売のための差押登記がなされ、裁判所主導で競売手続きが進められます。
差し押えとは、債務者が勝手に財産を処分しないように、裁判所を通じて法的な縛りを設ける手続きです。裁判所が競売の申し立てを受理すると、滞納者の元に「担保不動産競売開始決定通知」が届きます。
住宅を差し押さえられた場合でも、直ちに退去となるわけではありません。しかし、競売や任意売却で所有権が第三者に移転した後は、原則としてその時点で建物を明け渡す義務が発生します。
なお、競売における6か月の明渡猶予は一定の賃借人に限られ、元の所有者(住宅ローンの債務者)には適用されません。任意売却でも同様に、契約で定めた引渡日に退去する必要があり、法的な猶予はありません。
1-6. 現況調査後に競売にかけられて住宅を強制的に売却される
住宅が差し押さえられた後は、裁判所が選任した執行官や不動産鑑定士による現況調査が行われます。現況調査では、住宅の内部・外観や周辺環境の調査・撮影、周辺住民への聞き込みなどが行われます。
滞納者は、現況調査を拒否できません。まれなケースではありますが、仮に居留守を使って施錠したとしても、正当な理由なく拒否した場合は、裁判所の許可のもと強制的に解錠されることもあります。
現況調査が終わった後は、その結果をまとめた競売の3点セット(物件明細書、現況調査報告書、評価書)を、裁判所が誰でも見られるように公開します。最近では、インターネット上でも「BIT」と呼ばれる不動産競売物件情報サイトを通じて、誰でもどこからでも閲覧できるようになっています。要するに競売とは、裁判所の公開資料を基に、オークションのような形で住宅が落札されるシステムのことです。
住宅の入札開始日は、滞納が始まった日からおおむね10カ月〜1年程度が目安です。入札期間は、民事執行規則に基づき、1週間以上1カ月以内の範囲で裁判所が定めます。
1-7. 住宅から立ち退いた後も住宅ローンの残債の返済が続く
競売に出された住宅が落札されると、落札者が競売代金を支払った時点で、所有権が落札者に移転します。元の所有者は、そのときまでに自主的に退去しなければなりません。
所有権が移転した後も退去しない場合は、裁判所から「引渡命令」が出され、最終的には強制執行によって法的に追い出されることになります。
住宅から立ち退いた後も、競売の売却代金でまかないきれなかった残債の返済義務は、当然ながら免除されません。債権者と相談して無理のない範囲での分割返済を認めてもらうか、それが難しければ自己破産などの債務整理を検討することになるでしょう。
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2. 住宅ローンが払えなくなり競売で家を売却されるデメリット
住宅ローンを払えなくなった後、住宅を競売で売却することにはさまざまなデメリットが存在します。
2-1. 競売での売却価格は市場価格の6割から8割に下がる
競売で不動産を処分する場合、場所や物件によるものの、売却価格は市場価格の6割から8割程度に下がるのが一般的です。通常なら2000万円で売却できる不動産でも、1000万円から1400万円程度にまで価格が下がってしまいます。
売却価格が低くなるほど、住宅ローンの返済に充てられる金額が少なくなり、住宅を手放した後の返済計画も苦しくなってしまいます。
2-2. 現況調査や競売物件情報の公開などでプライバシーの問題が出る
現況調査の際には、裁判所の執行官や不動産鑑定士が、住宅やその敷地内に立ち入って調査を実施します。そのため、調査時には、見ず知らずの人に住宅内部や私物を見られることになります。
また、現況調査の結果は公開されるため、親戚や近所の方に競売の事実が知られるかもしれません。インターネットの競売物件情報サイト「BIT(不動産競売物件情報サイト)」を見られるリスクはもちろんのこと、執行官による近隣への聞き込みや、不動産業者からの競売物件のチラシ投函・訪問などによって、近所に事情を知られてしまうケースが非常に多く見受けられます。
3. 住宅ローンが払えそうにない場合に住宅を手放さずに解決する方法
滞納しているわけではないものの、将来的に住宅ローンが払えなくなることが懸念される場合は、早めに対応することで住宅を手放さずに解決できる可能性があります。
3-1. 金融機関に早めに相談し返済期間や金額を見直す
今後の返済に不安を感じた場合は、手遅れになる前に、住宅ローンの借入先である金融機関へ相談しましょう。
すでに数カ月の滞納や差し押さえ直前という状況で金融機関を頼っても、そこからできる対策は限られています。
一方で、滞納する前に借入先の金融機関へ相談しておけば、「返済期間の延長」「ボーナス払いの変更」「一定期間は利息のみの支払い(元本返済の一時的な猶予)」といった、返済計画の見直しに応じてもらいやすくなります。
収入や経済状況によっては、後述する住宅ローンの借り換えも検討しやすくなるでしょう。
金融機関の立場からしても、早めに相談すれば「返済の意思がある」と好意的に受け止められやすくなります。そもそも金融機関にとっては、回収不能の債権になるよりも、返済計画を立て直して確実に回収したほうがよいというビジネス上の背景もあります。
スムーズに相談を進めるためにも、現在の収支がわかるもの(収入証明書や家計簿など)を準備し、あらかじめ意見・要望をまとめておきましょう。
3-2. 住宅ローンの借り換えを検討する
現在契約している住宅ローンよりも低い金利のローンを組める場合は、借り換えを検討するのも1つの手です。借り換えとは、現在のローンを新しい借入で一括返済し、以後は新しい住宅ローンを返済していく方法です。
低金利ローンに借り換えて支払利息の金額を下げることで、総返済額を減らせる可能性があります。
住宅ローンの月々の支払利息は、前回の返済日から今回の返済日までの「借入残高 × (金利 ÷ 12カ月)」で毎月計算するのが一般的です。
つまり、「住宅ローンの残債が多い(1回あたりの利息金額が増えやすい)」「残りの返済期間が長い(元利均等返済だと返済額に占める利息の割合が大きくなりやすい)」といった状況ほど、低金利の住宅ローンに借り換える効果が大きくなります。
一般的に、住宅ローンの借り換えが有効になりやすいのは以下のケースです。
住宅ローンを組んだ当初よりも金利が1%以上低い
住宅ローン残債が1000万円以上残っている
返済期間が10年以上残っている
ただし、ローンの借り換えは新規のローンを組むのとほぼ同義であるため、あらためて審査を受けなければなりません。「将来的に住宅ローンを滞納しそう」「転職や退職などで収入が大幅に減っている」「すでに何カ月も滞納している」といった状況だと、信用情報機関に登録された段階で審査に通過しない可能性が極めて高くなります。
また、借り換え手続きには事務手数料や登記費用、保証料などの諸経費が数十万円から百万円前後かかります。「借り換えによって本当に総返済額を減らせるのか」については、金融機関と慎重にシミュレーションを行う必要があります。
このように借り換えをするにしても、滞納期間が一定程度あると困難になるため、返済が困難になった場合には、できるだけ早い対応が重要です。
3-3. 副業・バイトなどで収入を増やす
単純ですが、副業やバイトで収入を増やせないかを検討することも、住宅ローンが払えなくなった場合の解決策の1つです。
例えば、副業やバイトで月2万円収入を増やし、月々の固定費を2万円減らせれば、合計4万円の収支改善になります。月々の住宅ローン返済額が10万円であれば、1年間で4カ月から5カ月分の返済額に相当する金額を捻出できます。
近年では、スキルを活かした業務委託の仕事、1日1、2時間程度で働けるスキマバイト、家で仕事ができる在宅ワークなど、以前よりもさまざまな形で働きやすくなりました。使える時間や自分の能力・適性によっては、新しい副業やバイトを検討してみるのもよいでしょう。
とはいえ、労働時間が延びる分だけ可処分時間が減るため、家庭状況や自分の体力と相談することも大切です。また、会社の就業規則や確定申告のやり方なども確認しておく必要があります。
3-4. リバースモーゲージ型住宅ローンを利用する
リバースモーゲージ型住宅ローンとは、一般的な住宅ローンと同様に住宅を担保にしつつ、毎月利息のみを返済するシニア層向けの融資制度です。
リバースモーゲージ型住宅ローンの契約者が亡くなったり契約が満了になったりした際には、担保にした住宅が売却されて元本返済に充てられます。
契約者が亡くなった場合には、住宅を売却せずに相続人が一括返済することも選べます。契約者が返済不能になっても、担保物件の売却価格以上の返済義務を負わないノンリコース型を選択すれば、住宅を売却した後の残債が全額免除となるため、相続人が負担する必要もありません。
また、配偶者と一緒に暮らしている場合は、あらかじめ配偶者を連帯保証人や連帯債務者にすることで、配偶者が生きている間は住宅を売却せずに済む契約にすることも可能です。
リバースモーゲージ型住宅ローンに借り換えれば、高齢で退職して収入が減っている場合でも、利息払いのみで自宅に住み続けられるのがメリットです。しかし、この制度には以下のデメリットがあります。
利息が一般的な住宅ローンよりも高い傾向がある
契約に際し配偶者や子どもなどの推定相続人全員の同意が原則必要になる
相続人に住宅を残せない可能性がある
住宅の担保価値が低い場合は利用できないケースが多い
相続が絡む特殊なローンであるため、借り換えるべきなのかどうかは慎重な検討が必要です。
3-5. 団体信用生命保険が使えないかを確認する
住宅ローンの契約者ががんにかかり、治療に専念するために休職したため、住宅ローンの支払いができなくなるというケースもあります。
そんなときは、民間の金融機関の住宅ローンでは原則として加入が必須になっている「団体信用生命保険」が使える可能性があります。
団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が亡くなったり高度障害状態になったりした場合に、保険金によって住宅ローンの残債を完済できる保険です。
この団体信用生命保険に特約を付けている場合、所定の条件を満たせば保険金が支払われ、住宅ローンの残債が完済される可能性があります。
特約としては、「三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)にかかった場合」や「特定の疾病・ケガが原因で就業不能になった場合」などに使えるものが挙げられます。
契約時に特約を付けたことを忘れているケースも多いため、一度契約内容を再確認してみると のがよいでしょう。
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4. 住宅ローンが払えなくなった住宅を売却する方法
払えなくなった住宅ローンを返済するために住宅を売却する場合は、売却代金で住宅ローン残債を全額返済できる「アンダーローン」か、売却代金だけでは住宅ローン残債を完済できない「オーバーローン」かによって、対応方法が変わります。
4-1. 支払いが難しいことが事前にわかった場合は一般売却する
このままでは住宅ローンの返済を続けるのが難しいと事前にわかった場合は、代位弁済や競売が行われる前に、不動産市場で一般売却を進めるとよいでしょう。
本来、住宅ローンの残債がある状態では抵当権を抹消することができないため、原則として一般の買い手には売却できません。抵当権が抹消されていないと、ある日突然債権者に差し押さえられるリスクがあるためです。
しかし、住宅の売却代金で住宅ローン残債を完済できるアンダーローンであれば、金融機関も基本的には抵当権抹消に同意します。売却代金だけでは足りない場合でも、自己資金との合計で住宅ローン残債を上回る金額になれば売却できる可能性があります。
住宅を一般売却するメリットは、後述する任意売却や競売の売却代金よりも高値が付きやすい点です。
アンダーローンで売却できる場合は抵当権を抹消できるため、相場価格と同程度で売りに出せます。当然、高く売れるほど、住宅ローン完済後の生活の立て直しに回せる手元資金が多くなります。。
住宅がアンダーローン状態かどうかを判断するには、不動産会社に査定を依頼し、建物の状態や権利関係、周辺環境に応じた不動産価値を把握しましょう。その際は、1社だけではなく複数の不動産会社に査定を依頼し、比較したうえで正確な相場を確認してください。
4-2. 任意売却について金融機関や専門の不動産会社と相談する
住宅の売却代金だけでは住宅ローンの残債を完済できない「オーバーローン」の場合は、「任意売却」を進めることになります。
任意売却とは、債権者と相談して同意を得たうえで抵当権の抹消に同意してもらい、オーバーローンの状態のまま不動産市場で売却することです。
任意売却であれば、競売よりも市場価格に近い金額(市場価格の8割から9割程度)で売却できる可能性があります。。また、基本的には一般売却と同じように売りに出すため、裁判所の現況調査や情報公開によって近所に事情が知れ渡る心配もありません。
ただし、任意売却には期限があるため注意が必要です。
任意売却を行えるのは、一般的に「滞納初期から競売の開札前」までの間です。実務上は裁判所の競売手続きと同時進行となることが多く、この期限までに買い手を見つけて任意売却を完了できなければ、強制的に競売で住宅が処分されます。
また、任意売却は金融機関との専門的な交渉が必要となる上に、条件が複雑になるため一般売却よりも買い手が見つかりにくいというデメリットがあります。
任意売却を検討する場合は、通常の不動産会社よりも任意売却の実績が豊富な専門の不動産会社にサポートを依頼するとよいでしょう。
4-3. リースバックによって家を売却してから賃貸借契約を結ぶ
リースバックとは、住宅を売却した後、その売却先と賃貸借契約を結ぶサービスのことです。要するに、住宅を売った後も、家賃を支払っている間は今の住宅に住み続けられます。
リースバックの大きなメリットは、住宅を売却した後も環境を変えずに生活を継続できる点です。また、将来的に資金を用意できる場合は、売却価格の1.1倍から1.3倍程度の金額で買い戻しができます。
ただし、リースバックの売却相場は市場価格の6割から8割と、一般売却や任意売却よりも安くなる傾向があります。また、原則としてアンダーローン状態の住宅でなければ利用できません。
さらに、毎月の支払家賃が月々の住宅ローン返済額よりも高額になるケースも想定されます。リースバックを利用する際には、自身の経済状況や将来の生活環境を踏まえ、家賃負担や契約期間などを慎重に検討しましょう。
5. 住宅ローンが払えない場合でもやってはならないこと
住宅ローンが払えなくなった場合、まずは慌てないことが大切です。焦りから自分だけで勝手に判断してしまうと、事態をますます悪化させてしまうこともあります。以下では「住宅ローンが払えない場合でもやってはならないこと」を解説します。
5-1. 「差し押さえられるわけがない」と金融機関からの連絡を無視し続ける
住宅ローンの支払いで苦しむ人の中には、「滞納を続けたとしても、本当に法的措置を取るわけがない」「連絡するのが怖くて、ズルズル時間だけが過ぎてしまった」など、借入先の金融機関からの連絡を無視し続けるケースが少なくありません。
金融機関からの連絡を無視する行為は、絶対に避けてください。
住宅ローンの滞納を続けた場合、金融機関は法的措置に移行します。なぜなら、そのまま不良債権化してしまうと大きな損失につながるためです。何も手を打たずに損失を出すよりは、法的手続きに則って競売を申し立て、確実に債権を回収できるように動くことが大切です。
また、連絡を無視する行為は、金融機関からの信頼を一気に失墜させます。金融機関との信頼関係が完全に壊れてしまうと、本来なら応じてもらえたはずの返済期間・金額の見直しや任意売却の機会を、失うことになります。
金融機関への連絡が遅れるほど取り得る選択肢も少なくなるため、住宅ローンの支払いが厳しくなっている人ほど、早めに状況を伝えるようにしてください。
5-2. 専門家に相談せず自分だけで判断する
住宅ローンの問題は、不動産実務や法律行為、個人の経済状態といったさまざまな要素が複雑に絡み合います。自分だけの判断で行動しても、不動産売買や抵当権抹消、金融機関との交渉といった専門的な部分に適切に対応するのは難しいでしょう。
そのため、住宅ローンが払えなくなった場合は、専門家の協力を得ることが大切です。住宅ローンに関する問題について、相談できる専門家は次の通りです。
家計の見直しや金融機関を説得するための返済計画案の作成はFP(ファイナンシャルプランナー)や税理士
住宅の適正価格での売却や任意売却の対応は不動産会社
債務整理を検討する場合は弁護士や司法書士
これらの専門家の多くは、初回無料相談を行っています。「専門家に相談するのはハードルが高い」と尻込みせず、まずは利用してみることを推奨します。
5-3. 消費者金融のカードローンなどで新たに借り入れて返済しない
住宅ローンの返済資金を捻出するために、消費者金融のカードローンやクレジットカードのキャッシングで借り入れて支払うといった自転車操業はお勧めしません。
なぜなら、住宅ローンの金利が年0.5%から2%前後程度であるのに対し、消費者金融などの金利は年3%から18%と非常に高いためです。一時的に返済できたとしても、最終的な支払総額が一気に膨れ上がり、生活が破綻する危険性があります。
「借金を返すために、さらに他のところから借りる」といった行為を繰り返して多重債務者になってしまうと、自力で生活を立て直すことが非常に困難となってしまいます。
5-4. 夜逃げを検討する
住宅ローンや他の債務がどうにもならないからといって、住宅を放置して夜逃げ(債権者に黙って家から出ていき、行方をくらませて返済から逃れること)をするのは避けましょう。
たとえ夜逃げしても、債務は免除にならない上に、信用情報機関の異動情報や金融機関独自の異動情報(いわゆる社内ブラック情報)は残ります。その状態では新しい家を借りたり、クレジットカードを作ったりするのは原則として不可能です。
また、金融機関の追跡を恐れて住民票を移さずに隠れ住んだとしても、定職に就けなかったり、健康保険証が使えなくなったりするおそれもあります。
もし配偶者や親族を住宅ローンの連帯保証人にしている場合は、自分の代わりに連帯保証人が債務を一括返済しなければならなくなります。
自分だけでは生活を立て直すことが難しい場合は、次章で解説する債務整理を検討してみてください。任意整理や個人再生であれば、住宅を手放すことなく負担を軽減できる可能性があります。
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6. どうしても返済が難しい場合は債務整理を検討する
住宅ローンやその他の債務の返済が難しい場合は、弁護士や司法書士に相談し、債務整理による債務の免除や減額を検討してみてください。ただし、債務整理を行うと信用情報機関や金融機関独自のブラックリストに載ってしまうため、実施するかどうかは慎重な判断が必要です。
6-1. 「任意整理」で住宅ローン以外の債務に対応する
任意整理とは、裁判所を通さずに金融機関などの債権者と直接交渉し、将来の利息カットや返済金額・支払い方法の変更によって負担を軽減する手続きです。
任意整理の大きなメリットは、整理する債務を自分で選べる点です。例えば、「住宅ローンはこれまで通り支払い続け、カードローンやリボ払いだけを任意整理する」といった対応にすれば、住宅を売却することなく債務の負担を軽減できます。
ただし、任意整理では元本を減らすことはできず、個人再生や自己破産ほどの減額効果はありません。また、住宅ローン自体を任意整理の対象にすると住宅を手放すことになります。
6-2. 「個人再生」で持ち家を残しながら住宅ローンを返済する
個人再生とは、裁判所に申し立てて債務全体の大幅な減額(5分の1から10分の1)をしてもらった後、3年から5年かけて残りの債務を返済していく手続きです。
個人再生の場合、住宅ローンを個人再生手続きの対象から除外することができる「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」という制度を利用すれば、個人再生による債務圧縮をした上で住宅を処分せずに済みます。
ただし、個人再生を認めてもらうには、原則として将来にわたって収入が安定していること必要です。
6-3. 「自己破産」で住宅ローンを免除してもらう
自己破産とは、裁判所に申し立ててすべての債務の支払いを免責してもらう(ゼロにしてもらう)手続きです。
原則として、住宅ローンを含めたすべての債務を免除できるため、多重債務者などでも生活の立て直しを図りやすくなります。
ただし、住宅も一部例外を除いて自己破産における清算対象になるため、残すことができません。また、20万円を超える価値のある財産や、99万円を超える現金といった資産も原則として処分されます。
7. まとめ|住宅ローンが払えなくなったら金融機関や専門家に相談しよう
住宅ローンが払えないにもかかわらず金融機関からの連絡を無視すると、督促や催告が行われた後、住宅が差し押さえられて競売で売却されます。
住宅を失うばかりか、競売は市場価格よりも安く売却されるため、住宅を失った後も多額の債務が残りやすくなります。手遅れになる前に、早めに住宅ローンを契約している金融機関に連絡するようにしましょう。
滞納する前に金融機関に相談すれば、現在の経済状況に応じた返済期間や月々の支払額などの見直しや、住宅ローンの借り換えなどで対応できる可能性があります。
住宅を売却して返済原資にする場合は、まず不動産会社に住宅の査定を依頼し、アンダーローンとオーバーローンのどちらの状態であるかを把握することが大切です。
アンダーローンの状態でも、任意売却を行えば市場価格の8割から9割程度で売却できる可能性もあります。
どうしても住宅ローンや他の債務の返済が厳しいのであれば、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、債務整理を検討してください。任意整理や個人再生であれば、住宅を手放すことなく負担を軽減できるかもしれません。
(記事は2026年5月1日時点の情報に基づいています)
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