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1. 弁護士費用の分割払いや後払いとは?
分割払いは、費用を1回で支払うのではなく、複数回に分けて支払う方法です。1回あたりの支払額が少なくなるため、負担を軽くできるというメリットがあります。
一方、後払いは本来の支払日よりもあとに支払期限を設定してもらう方法で、支払いまでにお金を工面する時間を確保できるというメリットがあります。
1-1. 多くの弁護士が分割払いや後払いに対応している
債務整理の相談者が借金に苦しみ経済的に困難な状況にあることは、弁護士も理解しています。そのため、弁護士費用の分割払いや後払いに対応している弁護士事務所は多くあります。
ただし、すべての弁護士が分割払いや後払いに対応しているわけではありません。また、分割払いや後払いに対応している弁護士であっても、無料で仕事を引き受けるわけではありません。相談者にまったく収入がないなど、費用を支払える見込みが立たない場合には、分割払いや後払いを断られることもあります。
1-2. 分割払いや後払いのメリット|返済が止まる期間を活用できる
債務整理を弁護士に依頼すると、弁護士は消費者金融などの債権者(お金を貸した側)に、自身が代理人に就任したことを知らせる「受任通知」という文書を送ります。
通知を受け取った債権者は取り立てをやめ、弁護士が連絡窓口になります。つまり、受任通知によって借金の返済をいったん止めることができます。
返済が止まっている間に、働いてお金を準備することができ、生活を立て直しながら、分割払いや後払いの弁護士費用を支払うことができます。
1-3. 弁護士費用の分割払いの回数は?
分割回数は、依頼する弁護士と相談して決めます。一般的には、3回から6回以内(毎月末払い)とするケースが多いです。弁護士によってはより多い回数を受け入れてくれる場合もありますが、多くても12回(1年)程度まででしょう。
1-4. 分割払いや後払いを希望する場合は、弁護士へ素直に伝えるべき
債務整理の相談をする人がお金に困っていることは、弁護士も十分にわかっています。そのため、経済的な状況を素直に伝えれば、費用の分割払いや後払いに応じてもらえるケースが多いです。
仮に応じてもらえなかったとしても、ほかの弁護士を紹介してもらえる場合もあるため、まずは率直に相談してみることをお勧めします。
1-5. 分割払いや後払いの注意点
分割払いや後払いは、支払いまでの時間的な猶予が得られるだけで、「支払わなくてよい」という意味ではありません。弁護士費用の支払いが滞ると、弁護士との信頼関係が崩れ、場合によっては弁護士が辞任するおそれもあります。
2. 債務整理にかかる弁護士費用
債務整理にかかる弁護士費用の内訳や特徴は下記のとおりです。
2-1. 弁護士費用の主な内訳
弁護士費用は、主に「相談料」「着手金」「報酬金」に分類できます。
【相談料】
文字どおり、弁護士に相談した場合にかかる費用です。多くの事務所では、30分あたり5000円など、時間ごとの料金が設定されています。初回の相談は無料としている事務所も少なくありません。
【着手金】
弁護士が正式に依頼を受けて、事案の処理に取りかかるときに必要となる費用です。受任して着手金がかかることになった場合は、最初の相談料が無料になるケースもあります。
【報酬金】
弁護士が債務整理の処理を行い、何らかの成果が生まれて依頼者に利益が発生した場合に支払う費用です。
着手金や報酬金の金額は、事案の種類や性質によって決められます。報酬金の基準は事務所によって異なるため、実際に依頼する際には、費用の計算方法を弁護士に確認することが大切です。
また、交通費や郵送費、裁判所に納める費用など、事件処理のためにかかる実費も、依頼者が弁護士費用として支払うことになります。
2-2. 手続きの種類に応じた弁護士費用の特徴
債務整理には、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれ弁護士費用の仕組みが異なります。費用の相場は以下のとおりです。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | 過払い金請求 | |
|---|---|---|---|---|
相談料 | 無料~30分5000円 | 無料~30分5000円 | 無料~30分5000円 | 無料~30分5000円 |
着手金 | 約2万~4万円/1社 | 約30万~50万円 | 約25万~40万円 | 約0~4万円/1社 |
報酬金 | 減額した債務の10% | 減額した債務の10% | - | 減額報酬金:減額した債務の10% |
その他 | 交通費など | 裁判所費用:約3万円 | 裁判所費用:約3万円 | 交通費など |
合計 | 債権者数による | 約40万~60万円 | 約30万~40万円 | 過払い金額による |
任意整理の場合は報酬金が中心で、着手金は無料あるいは少額にとどまります。個人再生は着手金が中心で、数十万円以上と高額になることが多いです。自己破産は着手金のみのケースが多く、数十万円以上と高額になります。
このように、弁護士費用は債務整理の方法によって変わります。具体的な金額は、弁護士と協議して決まることになります。
3. 分割払いによる弁護士費用の支払い事例
弁護士費用を分割払いする場合、具体的にどのように支払うことになるのかを、任意整理、個人再生、自己破産の場合を例に見てみましょう。
ここでは簡易的に、次のようなケースを想定します。
・2025年12月に弁護士に債務整理を相談
・2026年1月から弁護士が事件処理を開始
・2026年12月に処理が終了
・着手金は2026年1月から5回払い(毎月末払い)
・報酬金やその他の費用は、2027年1月から5回払い(毎月末払い)
【任意整理の場合】
任意整理は着手金がかからないことが多いため、2026年12月までは弁護士費用の支払いはありません。
報酬金15万円、その他費用3万円とすると、2027年1月から5月までの5カ月間、毎月3万6000円を支払えば弁護士費用は完済です。
【個人再生の場合】
着手金を相場の40万円とすると、2026年1月から5月までの5カ月間、毎月8万円を支払います。2026年6月から12月までは支払い不要です。
個人再生の手続きが終了した時点で報酬金15万円、その他費用3万円が発生した場合、2027年1月から5月までの5カ月間、毎月3万6000円支払えば弁護士費用は完済です。
【自己破産の場合】
着手金を相場の30万円とすると、2026年1月から5月までの5カ月間で毎月6万円を支払い、2026年6月から12月までは支払い不要です。
一般的に報酬金はかかりません。裁判所に3回出頭することになったとして、その他費用を6万円とすると、2027年1月から5月までの5カ月間、毎月1万2000円ずつ支払えば弁護士費用は完済となります。
なお、上記の例はあくまで目安です。実際の費用や分割回数は、弁護士事務所や依頼内容によって異なる点には注意が必要です。
4. 弁護士に分割払いを拒否された場合の対処法
弁護士費用の分割払いを断られてしまった場合や、分割回数などの条件が合わず契約できない場合は、ほかの弁護士を探すことになります。しかし、「知り合いに弁護士がいない」「どこに相談すればいいかわからない」と悩む人も少なくありません。
そのような場合、「日本司法支援センター 法テラス」を利用する方法が考えられます。
法テラスでは、「民事法律扶助」という制度を通じて、収入と資産が一定以下の人を対象に、弁護士費用を立て替えてくれます。立て替えられた費用は、あとから法テラスに対して分割で返済することになります。
弁護士費用に困っているときや分割払いに応じてもらえる弁護士を見つけられないときは、法テラスを利用して弁護士費用を立て替えてもらうとよいでしょう。
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5. 弁護士費用の支払いが不安なために、借金を放置するとどうなる?
弁護士に相談せず、借金を返済せずに放置しておくと、借金そのものとは別に、返済が遅れたことによる「遅延損害金」が発生してしまいます。
さらに、銀行や消費者金融などの債権者から、借金の返済を求めて訴訟を起こされる可能性もあります。裁判で支払いの義務を認める判決が出されると、給与や不動産などの財産が差し押さえられるおそれもあります。
借金を放置しておくことは、得策とは言えません。これまでに紹介したように、分割払いや法テラスの利用など、弁護士費用の負担を減らす方法はいくつもあります。借金問題で悩んでいる場合は、できるだけ早く弁護士に相談するようにしてください。
6. 弁護士費用を抑えるためのポイント
弁護士費用を抑えるためには、依頼する際に次のポイントを意識するとよいでしょう。
6-1. 複数の弁護士から見積もりを取って比較する
弁護士費用は、依頼先の弁護士によって異なります。そのため、複数の弁護士から相見積もりを取って費用を比較すれば、より費用を抑えられる事務所を選ぶことができます。
ただし、費用だけに目を向けて弁護士を選ぶことはお勧めできません。サービスの内容や、弁護士の対応の質なども含めて、総合的に信頼できる弁護士かどうかを見極めるべきです。
6-2. 追加費用の有無や条件を確認する
初期費用が安い場合でも、あとから追加費用が次々と発生することがあれば、弁護士費用の総額は高くなってしまいます。
「思っていたよりも費用が高くなってしまった」という事態が起こらないように、依頼前に追加費用の有無や条件を確認して、弁護士費用として支払わなければならない総額を把握しておきましょう。
6-3. 委任契約書の内容を確認する
弁護士に依頼するときは、弁護士との間で「委任契約書」を作成します。委任契約書に書かれている内容が、依頼者と弁護士との契約内容となります。
委任契約書は弁護士が作成し、弁護士と依頼者の双方が署名・捺印します。その際、契約書のなかに、弁護士から説明を受けていない費用が記載されていないかを確認しましょう。気になる点があれば、弁護士に説明を求め、納得してから署名・捺印すべきです。
7. 費用をかけてでも債務整理を弁護士に依頼するメリット
債務整理を弁護士に依頼する場合、次のようなメリットが挙げられます。
債権者からの督促が止まる
最適な債務整理の方法を選択できる
手続きをスムーズかつ適切に進めてもらえる
7-1. 債権者からの督促が止まる
依頼を受けた弁護士は債権者に対して、自身が代理人に就任した旨を伝える受任通知を送付します。債権者に受任通知が届くと、連絡窓口が弁護士に一本化され、債権者からの連絡はすべて弁護士に入ることになります。
そのため、債権者から直接取り立てを受けることはなくなり、精神的な負担から解放されます。
7-2. 最適な債務整理の方法を選択できる
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
弁護士に相談すれば、それらのメリット、デメリットを考慮したうえで、相談者の状況に応じた適切なアドバイスを受けることができ、最適な債務整理の方法を選択できます。
7-3. 手続きをスムーズかつ適切に進めてもらえる
弁護士に依頼すれば、債務整理の手続きをすべて任せることができ、依頼者には手続きの負担がほとんどかかりません。
任意整理の場合は、無理のない条件で任意整理の交渉がまとまることが期待でき、個人再生や自己破産の場合は、手続きが不備なくスムーズに進むなど、弁護士に依頼することで多くのメリットが得られます。
8. 債務整理の弁護士費用の分割払いに関してよくある質問
Q. 収入がなく、分割でも弁護士費用の支払いが難しい場合はどうすべき?
法テラスの利用を検討すべきです。法テラスでは、弁護士費用を立て替えてもらい、あとから分割で返済することができます。返済額は月5000円から1万円程度に設定することが可能です。
また、生活保護を受給している場合は返済が猶予され、事件終了時点でも生活保護を受けていれば、返済の免除を申請することもできます。
Q. 弁護士費用を分割で支払っている最中に、支払いができなくなってしまったら?
一人で問題を抱え込まず、すぐに弁護士に相談して支払方法について協議しましょう。
Q. 2年以上など、長期間にわたる弁護士費用の分割払いはできる?
依頼する弁護士次第ですが、一般的には難しいケースが多いです。ただし、事情によっては特別に認めてもらえる場合もあるため、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
Q. 費用が安すぎる弁護士は危ない?
費用が安いから信用してはいけない、ということはありません。ただし、債務整理は生活を再建するための重要な手続きです。費用面だけで判断せず、実際に相談して、信用できる弁護士かどうかを見極めたうえで依頼先を決めるべきです。
9. まとめ 弁護士費用について心配な場合は、分割払いや後払いの相談を
債務整理を扱う弁護士は、相談者が経済的に苦しい状況にあることを理解しています。そのため弁護士費用についても、分割払いや後払いに柔軟に対応してくれる場合も多くあります。
弁護士を選ぶ際は複数の弁護士に見積もりを取り、費用や対応を比較しましょう。費用を抑えながら信頼できる弁護士を選ぶことが大切です。もし分割払いでも支払うことが難しければ、「法テラス」を利用する方法もあります。
借金を放置すると遅延損害金や差し押さえのリスクがあるため、早めに対応することが大切です。借金問題に困っているときは、一人で問題を抱え込まず、早めに弁護士に相談してみることをお勧めします。
(記事は2026年1月1日時点の情報にもとづいています)
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