過払い金請求の弁護士費用はいくら? 相場から安く依頼するコツも解説

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過払い金の請求には弁護士費用がかかりますが、費用を差し引いても手元に戻る金額が多いケースもあります(c)Getty Images
過払い金請求は、法律上支払う必要のなかった利息を取り戻す正当な手続きです。弁護士に依頼する場合は費用がかかりますが、煩雑な手続きや交渉を任せられるうえ、取り戻せる金額を増額できる可能性が高まります。依頼時の費用相場や内訳、支払いタイミングについて事前に理解しておくことで、安心して請求を進められるでしょう。 過払い金請求にかかる弁護士費用の相場や、費用を抑えるポイントを弁護士がわかりやすく解説します。

目 次

1. 自分で過払い金を請求する場合の費用は?

2. 過払い金請求を弁護士に依頼した場合の費用は?

2-1. 弁護士費用の相場と内訳

2-2. 弁護士費用を支払うタイミング

3. 過払い金請求の弁護士費用を安く抑えるためのポイント

3-1. 着手金や相談料が無料の事務所を選ぶ

3-2. 分割払いや後払いに対応している事務所を選ぶ

3-3. 法テラスを利用する

4. 過払い金請求で弁護士費用が高くなるケース

4-1. 裁判まで発展したとき

4-2. 請求する過払い金が大きいとき

4-3. 交渉の難易度が高いとき

5. 過払い金請求を依頼する弁護士や法律事務所の選び方

5-1. 過払い金請求の実績が豊富か

5-2. 自分の予算に合っているか

5-3. 自宅や勤務先から通えるか

6. 弁護士に過払い金請求を依頼するメリット

6-1. 適切な金額で過払い金を請求できる

6-2. 家族に知られず手続きできる

6-3. 手続きや交渉をすべて任せられる

7. 過払い金請求は弁護士に依頼して取り戻すのがおすすめ

8. 過払い金の弁護士費用に関するよくある質問

9. まとめ 過払い金請求の弁護士費用は仕組みの理解と事務所選びがカギ
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1. 自分で過払い金を請求する場合の費用は?

過払い金が発生する仕組みを図解。グレーゾーン金利で借り入れしていた場合に発生する
過払い金が発生する仕組みを図解。グレーゾーン金利で借り入れしていた場合に発生する

過払い金は、主に2007年より前に「グレーゾーン金利」で借り入れていたケースで発生します。自分で請求する場合は、まず貸金業者に取引履歴を請求し、利息制限法に基づく引き直し計算を行ったうえで、内容証明郵便で返還を求めます。

このときにかかる費用は、郵便代などを含めておよそ1,000円程度です。話し合いで解決しない場合は裁判に進むことになりますが、その際には収入印紙代や郵券代、登記簿の取得費用などで2万円ほどかかるのが一般的です。

専門家に依頼しない分、出費は抑えられますが、すべての手続きを自力で行う必要があるため、時間や労力、交渉リスクも踏まえて判断することが大切です。

2. 過払い金請求を弁護士に依頼した場合の費用は?

過払い金請求を弁護士に依頼した場合の費用は、大きく「相談料」「着手金」「成功報酬」の3つに分かれます。事務所によって料金体系はさまざまですが、費用の目安や支払いタイミングを把握しておくことで、不安なく依頼しやすくなります。以下では、それぞれの費用項目の相場や注意点、支払時期などをわかりやすく整理します。

2-1. 弁護士費用の相場と内訳


過払い金請求に関する弁護士費用の主な内訳は以下の通りです。

費目

相場・特徴

相談料

1時間あたり5,000〜1万円程度(初回無料の事務所も多数)

着手金

1社あたり2万円前後が目安(0円〜5万円以上など事務所により差がある)

解決報酬金

手続き完了時に発生。1社あたり2万円程度が相場

減額報酬金

借金が減額された場合、その減額分の10%前後が目安

過払い金報酬

回収額の20%程度(交渉で解決)/裁判になった場合は25%前後

事務所によっては「完全成功報酬型(着手金0円+過払い金の◯%)」という料金体系を採用している場合もあります。こうした事務所で考えた場合、たとえば「過払い金が100万円戻ったケース」で、報酬が20%なら弁護士費用は20万円となり、手元には80万円が残ります。一方、自分で請求して半額の50万円しか回収できなかった場合と比べると、弁護士に依頼した方が差し引き30万円以上多く取り戻せたことになります。

弁護士費用とは別に、裁判になった場合には実費として収入印紙代、郵券代、登記簿謄本取得費など約3万〜5万円程度を裁判所に支払う必要があるため、依頼前に確認しておくと安心です。

2-2. 弁護士費用を支払うタイミング


費用の支払時期は、費目ごとに異なります。

【相談料・着手金】
一般的には「依頼時」に発生します。現金または銀行振込で支払うのが基本です。

【成功報酬・過払い金報酬】
過払い金の回収後、その金額から差し引かれる形で支払うのが一般的です。あらかじめ全額を用意する必要はないため、初期費用の負担を抑えたい方にも依頼しやすい仕組みといえます。

なお、事務所によっては「最初にすべて支払う必要がある」ケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

3. 過払い金請求の弁護士費用を安く抑えるためのポイント

過払い金請求を弁護士に依頼する際、費用面が気になるという人も多いのではないでしょうか。弁護士費用をできるだけ抑えたい場合は、事務所ごとの料金体系や支払い方法をよく確認することが大切です。ここでは、費用の負担を軽くするための3つのポイントを紹介します。

3-1. 着手金や相談料が無料の事務所を選ぶ


できるだけ費用を抑えたい場合は、相談料無料や着手金ゼロの法律事務所を選ぶのが効果的です。なかには「完全成功報酬型」をうたっている事務所もあり、過払い金が実際に回収できたときのみ報酬が発生する仕組みになっています。

こうした事務所では、初期費用を気にせず依頼を検討できるため、「お金に余裕がないけれど請求したい」という人にとって安心感のある選択肢になります。なお、完全成功報酬型であっても、報酬率が違ったり、実費が別途かかったりすることもあるため、あらかじめ契約内容をしっかり確認することが大切です。

3-2. 分割払いや後払いに対応している事務所を選ぶ


依頼時にまとまった金額を支払うのが難しい場合は、分割払いや後払いに対応している事務所を選ぶのもひとつの方法です。最近では、こうした柔軟な支払い方法に応じてくれる事務所も増えています。

とくに生活に余裕がない場合、支払い負担を軽くできるかどうかは事務所選びの重要なポイントです。支払い方法についても事前に確認し、自分に合ったプランがあるかをチェックしておくと安心です。

3-3. 法テラスを利用する


収入や資産が一定基準を下回る場合は、法テラス(日本司法支援センター)の「民事法律扶助制度」を利用する方法もあります。この制度を活用すれば、弁護士費用や実費を法テラスが立て替えてくれるため、手元にお金がなくても依頼が可能になります。

立て替えた費用は、原則として分割で返済することになりますが、無理のない範囲で支払いが進められるよう配慮されています。民事法律扶助の利用には収入や資産などの要件があるため、利用を希望する場合はまず相談してみるのがおすすめです。

4. 過払い金請求で弁護士費用が高くなるケース

過払い金請求では、依頼内容や状況によってかかる弁護士費用が大きく変わることがあります。基本的には回収額から報酬が差し引かれるため、弁護士費用が高くなるということは「手元に戻るお金が減る」ことを意味します。事前にどのようなケースで費用が高くなりやすいのかを知っておくことが大切です。

4-1. 裁判まで発展したとき


交渉で解決できずに裁判に進んだ場合、弁護士報酬が高くなる傾向があります。多くの事務所では、交渉で回収できた場合の報酬率が「20%」前後なのに対し、裁判になった場合は「25%」程度に上がることが一般的です。

また、裁判にかかる収入印紙代や郵券代、登記簿の取得費用などの実費も追加で必要になります。これらは数万円程度かかることが多く、全体の費用が増える原因となります。

4-2. 請求する過払い金が大きいとき


過払い金報酬は「回収額の◯%」という成果報酬型が一般的です。たとえば回収額が100万円で報酬率が20%なら、弁護士費用は20万円となります。回収できる金額が大きくなるほど、支払う報酬もその分高くなります。

それでも多くのお金が手元に戻るため、費用が高くなったからといって損をするわけではありません。ただし、報酬率が高めに設定されている事務所もあるため、契約前にしっかり確認しておくことが大切です。

4-3. 交渉の難易度が高いとき


貸金業者が交渉に応じない、取引履歴が残っていない、時効が迫っているなど、こうした交渉の難易度が高いケースでは、専門的な対応が求められます。その分弁護士の負担が大きくなるため、一部の事務所では難易度に応じて報酬を高めに設定していることがあります。

また、こうした案件では、一般の方が自力で対応するのが難しいため、弁護士の介入によって初めて回収が可能になるケースも少なくありません。契約時には、「ケースによって報酬額が変わる可能性があるか」についても確認しておくと安心です。

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5. 過払い金請求を依頼する弁護士や法律事務所の選び方

過払い金請求を弁護士に依頼する場合、費用面だけでなく、対応の丁寧さや専門性など、さまざまな観点から事務所を比較検討することが大切です。事前に確認しておくべきポイントを整理しました。

5-1. 過払い金請求の実績が豊富か


すべての弁護士が過払い金請求に詳しいとは限りません。実績が少ない事務所では、引き直し計算に時間がかかったり、交渉で回収額が減ってしまったりするリスクもあります。

過払い金請求に注力している事務所であれば、スムーズな対応が期待でき、手続きも安心して任せられます。探す際は「過払い金 弁護士 地域名」といったキーワードで検索し、実績や専門性に触れている事務所を選ぶとよいでしょう。

5-2. 自分の予算に合っているか


依頼費用は事務所によって幅があります。まずは無料相談を活用して複数の事務所から見積もりを取り、費用感を比較するのが基本です。

弁護士に比べて司法書士のほうが費用はやや抑えめな傾向にありますが、対応できる金額や手続き範囲には制限があるため、内容によっては弁護士に依頼すべきケースもあります。両方に相談してみるのもひとつの方法です。

費用に不安がある方は、分割払いや後払いに対応している事務所を選ぶことで、初期費用を抑えられます。さらに、収入要件を満たせば、法テラスの「民事法律扶助制度」で費用を立て替えてもらえる制度も利用できます。費用面が心配な場合は、こうした制度や支払い方法を事前に確認しておくと安心です。

5-3. 自宅や勤務先から通えるか


通いやすさも事務所選びの大切な要素です。とくに仕事などで平日昼間に動けない人は、夜間・土日対応の有無や、電話・メールでのやり取りがしやすいかどうかもチェックしておきましょう。

通えるかどうかなどの物理的な距離よりも「相談のしやすさ」や「連絡の取りやすさ」など、自分に合ったコミュニケーションが可能かどうかがポイントになります。

6. 弁護士に過払い金請求を依頼するメリット

過払い金請求は自分で行うことも可能ですが、手続きや計算は複雑で、業者との交渉も必要になります。不安なく進めたい人にとって、弁護士に依頼することで得られる安心感や効果は大きなメリットです。

6-1. 適切な金額で過払い金を請求できる


過払い金の計算には、法律や利息制限法に基づいた「引き直し計算」が必要です。計算は複雑で、正確に行うには専門的な知識が求められます。

弁護士に依頼すれば、適切な金額で請求できるだけでなく、交渉のノウハウを活かして、回収額が増える可能性もあります。実際、弁護士が介入することで、貸金業者の態度が変わり、交渉がスムーズになるケースも少なくありません。

6-2. 家族に知られず手続きできる


弁護士に依頼すれば、貸金業者とのやりとりはすべて代理で対応してもらえます。自宅や職場に連絡が入る心配もなく、家族や同僚に知られるリスクを避けながら手続きを進めることが可能です。

「内緒で進めたい」と考えている方にとっては、大きな安心材料になります。

6-3. 手続きや交渉をすべて任せられる


取引履歴の取り寄せや引き直し計算、返還請求の文書作成、貸金業者との交渉など、これらをすべて自分で行うのは大きな負担です。

弁護士に依頼すれば、一連の手続きを一括で任せられるため、書類の不備や交渉の行き詰まりといったリスクも回避できます。忙しい方や不慣れな方でも、無理なく過払い金請求を進められるのが弁護士に依頼する最大のメリットです。

7. 過払い金請求は弁護士に依頼して取り戻すのがおすすめ

過払い金請求は自分で行うことも可能ですが、取引履歴の取り寄せや引き直し計算、業者との交渉など、手続きには手間や専門的な知識が求められます。対応によっては回収できる金額に差が出ることもあるため、弁護士に依頼した方が結果的に多くの過払い金を取り戻せる可能性があります。

また、弁護士が窓口となることで、自宅や職場への連絡を避けることができ、家族に知られたくない人でも安心して手続きを進めることが可能です。費用が不安な方でも、成功報酬型や相談無料の事務所を選べば、初期費用の負担を抑えて依頼できます。

8. 過払い金の弁護士費用に関するよくある質問

Q. 過払い金請求の落とし穴は?


過払い金請求には、時効によって請求できないケースや、信用情報に影響が出る可能性があります。特に返済中の借金に対して請求する場合は、債務整理として扱われることがあるため注意が必要です。

また、貸金業者によっては任意での返還に応じず、裁判が必要になる場合もあります。不安な点があれば、早めに弁護士などの専門家に相談すると安心です。

Q. 過払い金請求をしたらローンは組めない?


完済済みの借金に対する過払い金請求であれば、信用情報に影響することは基本的にありません。そのため、新規のローンやクレジットカード審査に悪影響が出ることは少ないといえます。ただし、返済中の借金に対して請求した場合や、貸金業者側が信用情報を誤って登録してしまった場合には、影響が出る可能性もあるため注意が必要です。

Q. 弁護士より司法書士に依頼した方が安い?


一般的に、司法書士に依頼する方が弁護士より費用が安くなる傾向があります。しかし、司法書士は請求額が140万円を超える案件や裁判手続きには対応できません。請求額が大きい場合や、交渉がこじれる可能性がある場合は、弁護士に依頼するほうが安心です。

Q. 過払い金請求のランキングは信用できる?


インターネット上の過払い金請求ランキングには、広告収益を目的としたものも多く見られます。必ずしも実績や評判に基づいた客観的な情報とは限らないため、参考にする程度にとどめましょう。費用や実績などは公式サイトで確認し、無料相談を複数活用して自分の目で見極めることが大切です。

Q. 過払い金請求を司法書士に依頼した場合の費用はいくらぐらい?


一概には言えませんが、着手金が1〜2万円、成功報酬が回収額の20〜25%ほどです。弁護士に比べて費用は割安ですが、140万円を超える請求や裁判対応はできないなどの制限がある点に注意が必要です。

Q. 返還された過払い金に税金はかかる?


過払い金の返還は、もともと払いすぎていたお金を取り戻すものなので、原則として課税対象にはなりません。ただし、利息として上乗せされた金額がある場合には、「雑所得」として課税されるケースがあります。金額が大きい場合は、念のため税理士などに確認しておくと安心です。

9. まとめ 過払い金請求の弁護士費用は仕組みの理解と事務所選びがカギ

過払い金請求にかかる弁護士費用は、相談料・着手金・成功報酬などに分かれます。近年は着手金無料や完全成功報酬型の事務所も多く、費用倒れのリスクは比較的低いといえます。

報酬は回収額から差し引かれるケースが一般的なため、依頼時に多額の現金が必要になることもほとんどありません。不安な方は、分割払いや法テラスの利用も検討できます。

事務所ごとに費用体系や対応の丁寧さに違いがあるため、複数の事務所に相談し、比較検討することが大切です。費用の仕組みを理解し、納得したうえで依頼することが、満足のいく結果につながります。

(記事は2025年11月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

加藤 高明(弁護士)

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Adam法律事務所 代表弁護士
2008年関西学院大学大学院情報科学専攻修了。法科大学院を経て、2011年司法試験合格、2012年弁護士登録、2022年Adam法律事務所設立。現在は、青年会議所や商工会議所青年部を通じた人脈による企業法務、借金問題、相続問題、男女問題などに従事する。趣味は筋トレやスニーカー収集。岡山弁護士会所属、登録番号47482。
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