目 次
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1. ガス代を滞納するとどうなる?
ガス代の支払いが遅れると、ガス会社からの督促が始まります。滞納が長引くと、最終的にはガスが止められてしまいます。
1-1. ガス会社から督促を受ける
ガス代の滞納が始まってからしばらくすると、ガス会社から督促状などの書面が届きます。また、電話や自宅訪問によって督促が行われるケースもあります。
督促を受けてもガス代を支払わないと、ガスの供給が止められたり、財産を差し押さえられたりするおそれがあるので注意が必要です。
1-2. ガス代の滞納が続くと、ガスはいつ止まる?
ガス代の滞納が長期間にわたって続くと、ガスの供給が止められてしまいます。主要ガス会社における供給停止の時期は、以下のとおりです。
主なガス会社 | 供給停止の時期 |
|---|---|
東京ガス | 検針日から50日経過後に送付される「ガス供給停止のお知らせ」に記載された時期 |
大阪ガス | 検針日から30日経過後、 再請求書の後に送付される供給停止予告に記載された時期 |
東邦ガス | 検針日から60日経過後に送付される 「お支払いのお願い・供給停止に関するお知らせ」に記載された時期 |
検針日から2カ月程度が経過すると、ガスが止められてしまうリスクが高まります。
1-3. ガスが止まるとできなくなること
ガスの供給が止められると、以下のことなどができなくなります。日常生活の中で、不便を感じる場面が増えてしまうでしょう。
ガスを用いた調理
給湯、入浴
ガスを用いた暖房器具の使用
温水洗浄便座の使用
など
2. 滞納によってガスが止められるまでの流れ
ガス代の滞納によって、ガスの供給が止められるまでの大まかな流れを紹介します。
2-1. 再請求書が届く
ガス代を滞納した人には、ガス会社から再請求書が送られてきます。再請求書は、滞納しているガス代を改めて設定した期限までに支払うよう求めるものです。
再請求書に記載された期限までにガス代を支払えば、ガスの供給が止められることはありません。ただし、当初の支払期限を経過した日数に応じて、延滞利息(遅延損害金)を上乗せした額を支払う必要があります。
2-2. 停止予告書などの書面が届く
ガス会社は、実際にガスの供給を停止する前に、その予告をする書面を送付します。書面の名称はガス会社によって異なりますが、いずれもガスの供給を停止する年月日が記載されています。
2-3. 予告された供給停止日を過ぎると、ガスの供給が停止される
停止予告書などの書面に記載された供給停止日を過ぎると、ガスの供給が停止されます。
ガスの供給を再開してもらうには、滞納しているガス代全額を支払ったうえで、ガス会社に連絡して手続きを行わなければなりません。
3. ガス代を滞納した場合に起こり得るリスク
ガス代の支払いを滞納し続けると、以下のようなリスクが生じます。できる限り速やかにガス代の滞納を解消しましょう。
3-1. 延滞利息(遅延損害金)が発生する
ガス代の支払期限を経過すると、1日ごとに延滞利息(遅延損害金)が発生します。主要ガス会社(東京ガス・大阪ガス・東邦ガス)の延滞利息は、いずれも1日当たり0.0274%とされています。年率に換算すると約10%です。
ただし、支払期限の翌日から10日以内に滞納を解消した場合は、延滞利息を請求しないものとされています。延滞利息を支払いたくないなら、速やかに滞納中のガス代を支払いましょう。
3-2. 供給契約が強制的に解約される
ガス代の滞納を続けると、2カ月程度経過した段階でガスの供給が止められます。
さらに滞納が長引くと、ガスの供給契約自体が強制的に解除されてしまいます。契約が解除された場合、再びガスの供給を受けるためには、新たにどこかのガス会社と契約しなければなりません。
3-3. 裁判所から支払督促を受ける
滞納中のガス代を回収するため、ガス会社は裁判所に支払督促を申し立てることがあります。支払督促は、裁判所が債務者(=お金を支払う義務を負う人)に対し、債務の支払いを督促する手続きです。
支払督促が送達されてから2週間が経過すると、債権者は仮執行宣言付支払督促の申立てができるようになります。裁判所によって仮執行宣言付支払督促が発せられると、強制執行の申立てが可能となり、財産を差し押さえられるリスクが生じます。
仮執行宣言付支払督促が発せられるのを防ぐには、支払督促の送達後2週間以内に、裁判所に対して異議を申し立てなければなりません。迅速な対応が求められます。
3-4. 訴訟を起こされる
ガス会社は滞納中のガス代を回収するために、裁判所へ訴訟を提起する可能性があります。訴訟は、裁判所の公開法廷で行われる紛争解決手続きです。
訴訟でガス代の支払いを命ずる判決が言い渡され、その判決が確定すると、強制執行によって財産が差し押さえられるリスクが生じます。
訴訟への対応は複雑で手間がかかり、弁護士に依頼する場合は費用もかかります。できる限り訴訟に発展する前に、ガス代の滞納を解消しましょう。
3-5. ブラックリスト入りする(クレジットカード払いのガス代を滞納した場合など)
ガス代をクレジットカード払いにしている場合は、まずカード会社がガス会社へ立替払いを行った後、契約者がカード会社へ立替金を支払います。
カード会社への支払いを怠り、滞納が2~3カ月程度以上続くと、延滞の事実が個人信用情報機関に登録されます。これは「ブラックリスト入り」と呼ばれるものです。
ブラックリスト入りすると、クレジットカードが強制的に解約されます。またローンを組むことや、新たにクレジットカードを作ることもできなくなります。
ブラックリスト入りの状態は原則として、延滞したカード料金を完済してから5年が経過するまで続きます。
3-6. 預貯金などを差し押さえられる
支払督促や訴訟によってガス代の支払い義務が確定すると、債権者は裁判所に強制執行を申し立てることができるようになります。
強制執行は、債務者の財産を差し押さえて、未払いの債権を強制的に回収する手続きです。預貯金や給与などを差し押さえられることが多く、生活費に充てるためのお金の一部を失ってしまいます。
強制執行(差し押さえ)による生活への影響はかなり大きいので、その前に早い段階で対処することが大切です。
4. ガスが止まった後、いつ供給が再開される?
ガス代の滞納によってガスの供給を止められてしまった後、再開してもらうためには滞納中のガス代全額を支払う必要があります。ガス代全額の支払いが完了した後、ガス会社に電話またはインターネットを通じて連絡すると、供給再開に関する作業の日時を予約できます。
ガス会社によって異なりますが、平日の午前中に予約すれば当日中に作業してもらえることがあります。一方、平日の午後や土日祝日に予約する場合は、翌営業日以降の作業となるのが一般的です。
予約した日時に、自宅へガス会社の作業員が訪問して作業を行い、ガスの供給が再開されます。
5. 滞納しているガス代が払えないときは、どうすべき?
お金がなくて滞納中のガス代を支払えないときは、以下の方法などによって対処しましょう。
5-1. 資金を工面して払う
手元の現金や預貯金が不足している場合は、以下の方法などによって資金を工面することが考えられます。
フリマサイトなどで物を売る
親族から援助を受ける
日払いのアルバイトをする
など
なお、消費者金融などからお金を借りてガス代を払うのは、基本的にはやめた方がよいです。金利が高いため、借りれば借りるほど返済が大変になってしまいます。
5-2. ガス会社に猶予の相談をする
ガス会社に相談すれば、ガス代の支払いを待ってもらえることがあります。経済的に困難な事情や、支払いができる時期のめどを伝えて交渉してみましょう。
5-3. 消滅時効を援用する
ガス代の請求権は、ガス会社が権利を行使できることを知った時から5年が経過すると時効によって消滅します。この場合、ガス会社に対して時効を援用すると、ガス代を支払う義務を免れます。
ただしガス会社は、滞納が始まってから数日~数カ月以内に請求を始めるケースが大半です。時効完成を期待してガス代の滞納を続けるのはやめた方がよいでしょう。
5-4. 公的貸付制度を利用する
ガス代の支払いができないほど経済的に苦しい状況にある人は、公的貸付制度を利用できることがあります。一例として、以下の貸付制度などが設けられています。
制度の名称 | 概要 | 申請先 |
|---|---|---|
低所得世帯・障害者世帯・高齢者世帯向けの貸付制度 | 各都道府県の社会福祉協議会 | |
失業などによって住居を失い、 生活の維持が困難になっている人向けの貸付制度 | 各都道府県の社会福祉協議会 | |
母子家庭・父子家庭・寡婦を対象とする貸付制度 | 都道府県または市町村の窓口 |
5-5. 借金が絡む場合は債務整理をする
借金の返済やクレジットカードの支払いなどが多額に及び、そのためにガス代へ回すお金がない場合は、債務整理を検討しましょう。
債務整理は、債権者との交渉や裁判所の手続きを通じて、債務の負担を軽減してもらうものです。主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があります。
債務整理の種類 | 概要 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
任意整理 | 銀行・消費者金融・カード会社などの 債権者と交渉して、利息や遅延損害金のカット、 支払期間の延長などを認めてもらいます。 | ・手続きが比較的簡単 ・財産が処分されない ・対象とする債務を自分で選べる など | ・元本の減額は認められにくいため、 多額の債務を負っている場合には不向き ・債権者の同意が必要 など |
個人再生 | 裁判所の手続きを通じて、 借金などの債務を減額してもらいます。 | ・元本の減額も認められる ・自宅の処分を回避できる制度がある など | ・安定した収入が必要 ・手続きが複雑で、手間と費用がかかる ・最低でも100万円は債務を支払う必要がある ・多数決による債権者の決議が必要 など |
自己破産 | 裁判所の手続きを通じて、 借金などの債務を免責してもらいます。 | ・借金などの債務がゼロになる ・安定した収入がなくても利用できる ・債権者の同意や決議が不要 など | ・高価な財産などは処分される ・一部の職業が制限される など |
債務整理については、弁護士や司法書士が相談を受け付けています。借金の返済やクレジットカードの支払いなどが苦しい人は、弁護士や司法書士に相談してみましょう。
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6. ガス代を減らす方法はある?
月々のガス代が高いと感じているなら、以下のような節約方法を試してみてください。
給湯器の設定温度を下げる
追いだき機能の使用頻度を控える(家族が続けて入浴する、湯船にふたをするなど)
食材を常温に戻してから調理する
圧力鍋や保温調理鍋を使う
給湯器やガスコンロを定期的に掃除する
料金の安いガス会社や契約プランに切り替える(プロパンガスから都市ガスへの切り替えなど)
など
7. ガス代を滞納している人が債務整理を検討する際の注意点
ガス代が支払えない状況を改善したい場合、債務整理は有力な解決策になり得ます。ただし債務整理を検討する際には、以下の各点にご注意ください。
7-1. ガス代の任意整理は難しい
任意整理は、債権者と交渉して債務の負担を軽減してもらう手続きです。
しかしガス会社は一般的に、任意整理の交渉に応じない方針をとっています。したがって、ガス代自体を任意整理で減額することはできません。任意整理をするなら、借金やクレジットカード料金などをその対象に選びましょう。
7-2. 直近6カ月分のガス代は、個人再生の対象外
個人再生は、裁判所を通じて債務を減額してもらう手続きです。借金やクレジットカード料金などは、個人再生による減額の対象となります。
しかしガス代のうち、再生手続開始の決定前6カ月間に対応するものは、個人再生による減額の対象外とされています。減額されるのは、再生手続開始の決定より6カ月以上前に発生したガス代のみです。
7-3. 自己破産をしても、破産手続開始決定後のガス代は支払う必要がある
自己破産は、裁判所を通じて債務を免責してもらう手続きです。借金やクレジットカード料金のほか、ガス代も自己破産による免責の対象となります。
ただし、自己破産によって免責されるガス代は、破産手続開始の決定前の期間に対応するもののみです。開始決定後の期間に対応するガス代は免責されず、支払う必要があります。
8. 借金やガス代の滞納で困ったとき、弁護士や司法書士に相談するメリット
借金の返済やガス代の支払いが難しくなり、生活を立て直したいと考えているなら、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。
弁護士や司法書士は、借金問題の解決に関する相談を受け付けています。相談者が置かれている状況を踏まえたうえで、適切な解決策をオーダーメイドに提案してもらえます。
正式に弁護士や司法書士に依頼すれば、債務整理に関する対応を任せることができます。それぞれ以下の業務に対応可能です。
<弁護士>
債務整理全般(任意整理、個人再生、自己破産)
<司法書士>
以下の業務
・債権額が1社当たり140万円以下の任意整理
・個人再生または自己破産について裁判所に提出する書類の作成
経験を積んだ弁護士や司法書士に依頼すれば、スムーズかつ適切に債務整理の手続きを進めてもらえます。少しでも毎月の返済が厳しいと感じたら、できるだけ早い段階で弁護士や司法書士にご相談ください。
9. ガス代の滞納に関するよくある質問
Q. ガス代の支払いが遅れたらどうなる?
ガス代の支払いが遅れると、延滞利息が発生する、ガスの供給が止められる、財産を差し押さえられるなどのリスクが生じます。
Q. ガス代を滞納すると、ガスは何カ月で止まる?
ガスの供給が停止されるのは、検針日からおおむね2カ月程度が経過した時期です。
Q. ガスの供給停止後に復旧するにはどんな手続きが必要?
滞納中のガス代全額を支払ったうえで、ガス会社に連絡して供給再開の作業を行ってもらう必要があります。
Q. 滞納によってガスが止められたら、自分で復旧できる?
自分で復旧することはできません。ガス会社による作業が必要です。
Q. 生活保護を受けている状態でガス代を滞納したら、どうすべき?
生活保護受給者でも、ガス代は減免されません。公的な支援制度を利用できることがあるので、自治体の窓口などへご相談ください。
Q. 滞納中のガス代を分割払いで払うことはできる?
ガス会社が分割払いの交渉に応じてくれるケースはほとんどありません。ただし個人再生を利用すれば、再生手続開始の決定より6カ月以上前に発生したガス代は、減額されたうえで分割払いとなります。
10. まとめ ガス代の支払いが厳しいなら早めに専門家に相談を
ガス代の滞納を続けると、ガスの供給が止められたり、財産を差し押さえられたりするリスクが生じます。生活への影響を最小限に抑えるためにも、速やかに滞納中のガス代を支払いましょう。
ガス代の滞納を解消できない場合は、弁護士や司法書士への相談をお勧めします。債務整理を含めた効果的な解決策を提案してもらえます。
「債務整理のとびら」には、ガス代の滞納や借金問題などについて相談できる弁護士・司法書士が多数登録されているので、ぜひご活用ください。
(記事は2026年1月1日時点の情報に基づいています)
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