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1. 任意整理の「再和解」とはどんな手続き?
まずは、任意整理における再和解がどのような手続きなのかについて解説します。
1-1. 債権者と一度合意した返済計画を、再設定してもらう手続き
任意整理の再和解とは、一度債権者と合意した返済計画を、もう一度見直してもらう手続きのことです。たとえば、給与の減少や家族の病気などで返済が難しくなった場合に、支払額や返済期間を再設定してもらうための交渉をいいます。
ただし、一度合意した内容を再び変更するため、債権者の理解が必要です。特に、返済途中での滞納が続くと約束を守れなかったとみなされ、再交渉自体に応じてもらえないことも少なくありません。そのため、再和解は通常の任意整理よりもハードルが高く、慎重な対応が求められます。
実務でも、任意整理の再和解に関する相談は毎年一定数あります。多いのは、真面目に返済を続けていたが、勤務先の業績悪化などで収入が落ちたというケースです。ある依頼者は、残り一年で完済予定のところ、ボーナスがなくなって支払いが滞りました。早めに相談してもらえたため、債権者と半年間返済額を減らす形で再和解が成立しました。
このように、早期に動けば再交渉が認められる可能性は十分あります。逆に、2カ月以上滞納してから相談に来られると、すでに一括請求の段階に移行していることも多く、対応がかなり難しくなります。
1-2. 任意整理の再和解が成功する条件
再和解が認められるかどうかは、主に次の三つの要素で判断されます。
一つ目は、滞納の理由が一時的かどうかです。病気や残業減少など、一時的な収入減であれば、今後の返済可能性を説明することで債権者が応じることがあります。
二つ目は、これまでの返済実績です。最初の任意整理後にきちんと返済を続けていた実績があると、誠実に対応していたと評価されやすくなります。
三つ目に、生活状況や家計管理の見直しができているかです。支出の削減や副収入の確保など、再発防止の見通しがある場合には、交渉が前向きに進みやすいです。
再和解に成功する人は、早めに現状を正直に話す人です。滞納が発生する前に相談してもらえると、こちらも弁護士として柔軟な提案ができます。
1-3. 手続きの流れ
再和解を希望する場合、まず弁護士に相談し、家計の状況と滞納の理由を整理します。そのうえで、弁護士が債権者に事情を説明し、返済計画の変更を申し入れます。債権者が応じる場合は、新しい返済条件(返済期間、毎月の金額、将来利息の扱いなど)が提示され、それに基づいて再度の和解書を作成します。
交渉期間は、早ければ1カ月前後でまとまることもありますが、債権者によっては3カ月以上かかることもあります。成立すれば、再び分割での返済が可能となり、差し押さえや訴訟のリスクを避けることができます。再和解はもう一度やり直すための最後のチャンスといえます。返済が苦しくなったら、滞納が重なる前に専門家へ相談することが重要です。
2. 任意整理の再和解を進めるときに注意すべきこと
再和解は、返済が厳しくなった人にとって立て直しのチャンスですが、通常の任意整理よりも交渉の難易度が高くなります。ここでは、実務上よく問題になる3つの注意点を解説します。
2-1. 債権者が交渉に応じない可能性がある
再和解では、債権者が必ずしも話し合いに応じるわけではありません。特に、大手の消費者金融や信販会社では、再和解は行わない社内方針を設けているところもあります。過去に一度和解したにもかかわらず滞納したとなれば、債権者から見れば再び約束を破るリスクがあると判断されるためです。
この場合、すぐに一括請求や法的手続きに移行することもあり、対応を誤ると給与や預金を差し押さえられるおそれもあります。2カ月以上の滞納後に相談に来た人は、すでに訴訟が提起されているケースもあるため、時間との勝負です。
2-2. 条件が1回目より厳しくなることが多い
再和解が成立したとしても、1回目より条件が厳しくなるのが一般的です。下記のようなイメージです。
これまで免除されていた将来利息や遅延損害金が再び請求される
返済期間が短縮される
毎月の支払額が増える
債権者は、2度目の交渉に応じるリスクを考慮し、より確実な回収を求めるようになります。私の経験では、初回の任意整理では5年の分割が認められても、再和解では3年以内での完済を求められることが多いです。
再和解を希望する際には、現実的に返済できる金額を見極めたうえで、無理のない範囲での再交渉を行うことが大切です。
2-3. 信用情報への影響がさらに長引く
任意整理をすると、信用情報には延滞・債務整理といった事故情報が登録されます。この登録期間は完済から約5年が一般的ですが、再和解をすると新しい和解契約が結ばれた時点から再びカウントされます。
つまり、信用回復の時期が後ろ倒しになります。その点も理解したうえで再和解を行いましょう。
3. 【要検討】再和解について、別の弁護士に依頼できる
再和解を別の弁護士に依頼することも可能です。1回目の任意整理を担当した弁護士に再度お願いしても問題ないですが、場合によっては弁護士を変更した方がいいこともあります。たとえば、最初の弁護士が債務整理の経験に乏しかったり、返済計画の立て方が現実的でなかったりした場合は、より経験豊富な弁護士に依頼することで再和解の成功率が高まります。
新しい弁護士に依頼する際は、以前に任意整理をしたこと、どの債権者とどのような和解をしたかを正確に伝えることが重要です。なお、最初に依頼した弁護士との委任関係が残っている場合は、現在の弁護士との契約を正式に解除する必要があります。解除の際は書面で通知しておくと後のトラブルを防げます。
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4. 任意整理の再和解を、任意整理に精通した弁護士に任せた方がいい理由
再和解は、一度合意した返済条件を再び見直すという特別な交渉です。ここでは、再和解を任意整理に精通した弁護士に任せた方がいい理由を紹介します。
4-1. 難易度の高い交渉が成立しやすくなる
再和解は、お金を貸した側である債権者にとってリスクの高い手続きです。また滞納されるのではないかと警戒される中で相手に納得してもらうには、的確な説明と現実的な返済計画が欠かせません。経験豊富な弁護士は債権者ごとの対応傾向や社内ルールを把握しており、それに合わせた交渉を行います。
例えば私の事務所でも、再和解の交渉を行う際には家計簿や収支表を整えたうえで、返済継続の根拠資料を添えて交渉するようにしています。準備を丁寧に行うことで、債権者が今回は払えそうだと判断し、再和解が成立することもあります。
4-2. 別の債務整理手段も提案してもらえる
任意整理が最善策とは限りません。再和解が難しい場合には、個人再生や自己破産といった他の手続きを検討した方がいい場合もあります。債務整理に精通した弁護士であれば、依頼者の収入や資産の状況を見ながら、複数の選択肢を比較して提案してくれます。
4-3. 生活再建に向けたアドバイスが得られる
再和解はあくまで借金を減らす手段であって、根本的な再出発には生活改善が欠かせません。債務整理に慣れた弁護士は、家計管理や支出の見直し、二度と滞納しないための工夫まで踏み込んで助言します。
私の事務所でも、依頼者と一緒に毎月の生活費を洗い出し、貯蓄を残せる仕組みを作るようにしています。
5. 任意整理の再和解に強い弁護士の選び方
任意整理の再和解は、通常の債務整理よりも交渉が難しく、弁護士の経験や対応力によって結果が大きく変わります。ここでは、再和解を依頼する際に重視すべき4つのポイントを解説します。
5-1. 再和解の実績がある弁護士を選ぶ
再和解は、債権者との再交渉を伴う特殊な手続きです。初回の任意整理と違い、一度支払いが滞った債権者に対して、再び信頼を得る必要があります。そのため、過去に再和解を扱った実績のある弁護士を選ぶことが重要です。
債権者ごとの対応傾向や再交渉の可否を熟知している弁護士であれば、成功の可能性が高まります。実務上でも、再和解に関する相談は増えていますが、最初の任意整理を別の事務所で行い、交渉がこじれた後に再相談に来る人も少なくありません。
5-2. 丁寧に話を聞いてくれるかを重視する
再和解では、依頼者の生活状況や収支の変化を細かく把握することが欠かせません。相談時に一方的に話を進める弁護士よりも、しっかりと事情を聞き取り、原因を一緒に整理してくれる弁護士を選ぶべきです。滞納に至った背景が一時的な収入減なのか慢性的な赤字なのかによって、取るべき対応は変わります。
5-3. 費用体系が明確であることを確認する
再和解には追加の着手金や報酬金が発生する場合があります。相談前に費用の内訳や支払い時期、分割払いの可否を確認しておくことが大切です。費用が不明確な事務所は避けた方がよいでしょう。再和解の費用を1社あたり定額で明示し、依頼者が安心して依頼できるような弁護士事務所もあります。
5-4. 不都合なことも説明してくれる
再和解は必ず成功するわけではなく、債権者によっては交渉自体に応じないケースもあります。そのリスクを隠さずに説明してくれる弁護士は信頼できます。都合の良いことばかりを並べる事務所よりも、成功率や難しさを率直に伝えたうえで最適な方針を示してくれる弁護士を選ぶべきです。
6. 任意整理の再和解に強い弁護士を探す方法
再和解の交渉は難易度が高いため、弁護士選びが結果を大きく左右します。実績と信頼性を見極めるためには、情報収集と実際の面談が欠かせません。
6-1. ポータルサイトなどを活用して情報収集する
「債務整理のとびら」など、債務整理専門のポータルサイトなどで情報を集めます。特に、「任意整理、再和解、債務整理に強い」といったキーワードで検索すると、実績や相談対応数が多い事務所を見つけやすいです。
事務所の公式サイトに掲載されている解決事例や、弁護士本人のコメントにも注目しましょう。依頼を検討する際は、料金表や分割払いの可否、初回相談の無料対応の有無も確認しておくと安心です。
6-2. 実際に相談して信頼できるかを確認する
再和解を任せるうえで最も重要なのは信頼できる相手かどうかです。初回相談の際に、弁護士がしっかりと話を聞いてくれるか、現実的な見通しを示してくれるかを見極めましょう。「必ず再和解できる」などの安易な説明をする事務所は注意が必要です。
実務では、まず依頼者の生活状況と支出を具体的に整理し、本当に再和解が適しているかを一緒に検討します。依頼前に誠実な姿勢が感じられる弁護士を選ぶことが、再和解成功への第一歩です。
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7. 任意整理の再和解にかかる弁護士費用は?
任意整理の再和解を弁護士に依頼する場合、通常の任意整理よりも追加費用が発生します。費用の内訳は事務所によって異なりますが、一般的な相場は以下のとおりです。
着手金:1社あたり着手金2〜3万円
報酬金:2〜3万円ほど
その他:郵送費などの実費が数千円
初回の任意整理を同じ弁護士に依頼している場合は、再交渉という位置づけで費用を減額してもらえることもあります。
多くの事務所では分割払いに対応していますが、再和解後の返済と弁護士費用の支払いが重なることもあるため、事前に支払いスケジュールを確認しておきましょう。費用の安さだけで判断せず、説明の明確さと実績のある弁護士を選ぶことが、結果的に負担を減らす近道です。
8. 任意整理の再和解以外の解決方法
再和解が難しい場合でも、借金問題を解決する方法は他にもあります。特に、個人再生や自己破産といった法的手続きを選ぶことで、現実的に生活を立て直せるケースも少なくありません。
8-1. 借金を大幅に減らせる個人再生
個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で分割返済する制度です。借金が最大10分の1まで減額されることもあり、住宅ローンがある人でも住宅資金特別条項を利用すれば、自宅を手放さずに再建できます。
任意整理の再和解がうまくいかない人でも、安定した収入があれば個人再生を選ぶことで無理のない返済計画を立て直せます。私の事務所でも、再和解が不成立となった依頼者が個人再生に切り替え、月の返済額を半分以下に抑えて生活を立て直した事例があります。
8-2. 借金をゼロにできる自己破産
自己破産は、裁判所に申立てを行い、支払い不能と認められれば借金の返済義務を免除できる制度です。すべての債務を帳消しにできる一方で、一定の財産(高額な預金や車など)は処分の対象になります。
ただし、生活に必要な財産は残されるため、想像ほど厳しいものではありません。破産を選ぶことは終わりではなく、再スタートの手段のひとつです。私自身の印象としても、破産を経て生活を立て直し、数年後に貯蓄や再就職に成功する方も多くいます。再和解にこだわらず、現状に最も合った方法を選ぶことが、最終的な解決への近道です。
9. 任意整理の再和解に関して、よくある質問
Q. 任意整理の再和解を自分で行うことはできる?
法律上、自分で債権者に連絡して交渉することも可能ですが、実際にはかなり難しいのが現実です。滞納がある段階で個人からの再交渉には応じてもらえないことが多く、対応を誤ると一括請求や訴訟に発展するおそれもあります。再和解は弁護士が間に入ることで、交渉の信頼性が高まり、成功の可能性も上がります。
Q. 任意整理の再和解で3回目は可能?
債権者が応じれば可能ですが、現実的には非常に難しいです。再三の滞納は信頼を失うため、個人再生や自己破産など他の方法を検討した方が現実的です。
Q. 再和解を依頼する弁護士は1回目と同じでもいい?
問題ありません。同じ弁護士であれば経緯を把握しているため、交渉もスムーズです。ただし、最初の弁護士が債務整理に不慣れだった場合は、経験豊富な弁護士への変更も検討すべきです。
Q. 任意整理で再和解の成功率はどれくらい?
公的な統計はありませんが、私の事務所の印象では3割前後です。早めに相談すれば成功の余地は十分あります。
10. まとめ 再和解で悩んだら、実績ある弁護士に早めの相談を
任意整理後の返済が難しくなった場合でも、状況によっては「再和解」によって返済計画を立て直せる可能性があります。ただし、一度滞納した債務について再び交渉する手続きである以上、債権者の理解を得るハードルは高く、通常の任意整理よりも慎重な対応が求められます。
そのため、再和解の実績がある弁護士に依頼することが、解決への近道になります。債権者ごとの対応傾向や交渉のポイントを把握している弁護士であれば、再交渉が成立する可能性も高まります。
また、再和解が難しい場合でも、個人再生や自己破産といった他の選択肢を提案してもらえることも大きなメリットです。再和解はあくまでも一つの手段であり、大切なのは自分にとって最も現実的な方法で生活を再建することです。
「返済が遅れそう」と感じた時点で、できるだけ早く専門家に相談しましょう。タイミングを逃さなければ、再スタートの可能性は十分にあります。
(記事は2026年1月1日時点の情報に基づいています)
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