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個人事業を営んでいますが、売上減少と物価高騰で資金繰りが悪化し、借金400万円の返済が苦しいです。このままでは廃業せざるを得ませんが、借金だけが残るのが怖いです。事業をたたんで、経済的に再スタートする方法はありますか?(埼玉県在住、50代男性)
事業の資金繰りが悪化して借金の返済が難しくなった場合、代表的な対処法として、いわゆる「自己破産」をすることが考えられます。ただし、一般的に個人事業主の場合は、事業用財産や借金などの債務が関係することから、会社員やアルバイトに比べて処理が複雑になりがちです。事業内容などの状況に応じて処理すべき内容が異なりますので、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
1. 個人事業主の自己破産とは?どんな手続き?
自己破産とは、裁判所に申立てをして、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。金融機関からの融資や取引先に対する買掛金、事業所の賃料などの事業上の債務についても返済義務を免除してもらえます。
ただし、税金や社会保険料などの免除されない債務(非免責債権)もありますので注意が必要です。
2. 自己破産の2種類|同時廃止事件と管財事件
自己破産の申立てをすると、裁判所が「同時廃止事件」と「管財事件」の大きく2つのコースに分類し、これによって手続きの流れが変わります。
同時廃止事件とは、裁判所が破産手続きの開始と同時に手続きを終了させる簡易的な類型です。破産管財人(=破産手続で財産の管理や処分をする権利を有する人)は選任されません。
管財事件とは、裁判所が破産管財人を選任して手続きを進める類型です。破産管財人は破産者の財産を管理し、お金に換えることができる財産を処分して、そのお金を債権者(金融機関などお金を貸した側)全員に分配します。管財事件の場合、申立人が破産管財人の報酬に充てるための予納金を準備しなければならないことに留意が必要です。
3. 個人事業主の破産は複雑になりがちで管財事件になりやすい
個人事業主の破産は、事業用設備や在庫、売掛金、買掛金、事業所の賃貸借契約など処理すべき内容が多岐にわたることが多く、会社員やアルバイトをしている人の自己破産に比べて手続きが複雑になりがちです。
個人事業主の破産は、破産管財人による処理が必要であるということで管財事件になりやすい傾向にあります。管財事件になると、管財人の報酬などに充てるための予納金が発生します。破産手続を行う前に、予納金や弁護士への依頼費用をどうやって準備するかについても考えておくことが大切です。
相談者のように事業をたたむ場合や破産に伴い事業の継続が困難となる場合には、生活のために新たな収入源を確保することも必要です。
なお、破産による制限がある職業は別として、自己破産をしたからと言って法律上当然に廃業となることはありません。ただし、事業用財産の処分や事業に必要な契約の解除、取引先からの信用喪失などにともない、破産後に従来と同じ形で事業を継続するのは困難であることが多いでしょう。
4. 個人事業主で資金繰りが厳しくなったら早めに弁護士へ相談を
個人事業主の破産においては、会社員やアルバイトの破産と比べて、検討すべき点が多い傾向にあります。また、場合によっては破産ではなく、任意整理や個人再生といった他の方法が適切な場合もあるでしょう。借金の返済が困難になりそうな場合は早めに弁護士に相談し、アドバイスを受けることをおすすめします。
(記事は2026年11月1日時点の情報に基づいています。質問は実際の相談内容をもとに再構成しています)
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