電気代の滞納、何カ月で止まる? 未払いのリスクと対処法を解説

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電気代を20日ほど滞納すると、供給が停止するおそれがあります(c)Getty Images
電気代を滞納してから一定期間が経過すると、電気の供給を止められてしまうことがあります。支払期限から20日程度が経過すると、電気を止める電力会社が多いようです。 電気代を払えないときは「電力会社に相談する」「公的支援制度を利用する」などの対策を早めに講じて、電気を止められないようにしましょう。すでに電気代を滞納している場合は、弁護士に相談することをおすすめします。 電気代を滞納するといつ電気が止まるのか、電気代を滞納してしまった場合の対処法などを弁護士が解説します。

目 次

1. 電気代を滞納すると、何カ月で電気が止まる?

2. 電気代を滞納したらどうなる?リスクは?

2-1. 延滞利息が発生する

2-2. 督促状が送付される

2-3. 送電が停止される(電気が止まる)

2-4. クレジットカードでの支払いを滞納すると「ブラックリスト入り」する

2-5. 電気の供給契約を解除される

2-6. 最終的に給与や財産を差し押さえられるおそれも

3. 電気代を滞納してしまった場合の対処法

3-1. 契約先の電力会社に相談する

3-2. 公的支援制度を利用する

3-3. 親族などに援助を求める

3-4. 契約を解除された場合は、滞納を解消したうえで再契約する

3-5. 債務整理を行う

4. 電気代の滞納によって電気が止まるのを防ぐためのポイント

4-1. 支払期限を忘れないように管理する

4-2. 支払方法を自動引き落としにする

4-3. 生活スタイルに合った料金プランに変更する

4-4. 支払いが難しくなったら、早めに専門家へ相談する

5. 借金や電気代の支払いが苦しい場合に、弁護士や司法書士に相談するメリット

5-1. 状況に応じた解決方法についてアドバイスを受けられる

5-2. 債務整理の手続きを任せられる

5-3. 督促や返済を一時的に止めることができる

6. 弁護士費用や司法書士費用が準備できない場合の対処法

6-1. 法テラスを利用する

6-2. 分割払いや後払いの相談をする

7. 電気代の滞納によって電気が何カ月で止まるのかについてよくある質問

8. まとめ 電気代の支払いが難しい場合は早めに弁護士などに相談を
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1. 電気代を滞納すると、何カ月で電気が止まる?

電気代を滞納してからしばらくすると、電気の供給が止められてしまいます。

実際にいつ電気が止められるのかは、電力会社の方針によって決まります。たとえば、東京電力・中部電力ミライズ・関西電力・沖縄電力では、支払期限(=検針日の翌日から30日目。ただし土日祝日の場合は翌平日)を20日経過しても電気代を支払わないときは、電気の供給を停止することがあるとしています。

たとえば4月1日が検針日の場合、電気代の支払期限は5月1日です。そこからさらに20日後の5月21日を過ぎると、電気の供給を停止される可能性があります。

電力会社によっては、上記とは運用が異なる可能性もありますが、支払期限から20日前後で送電停止の対象となるケースが一般的です。

なお通常は、電気代を滞納してから数日程度が経過した段階で、電力会社から督促や送電停止の予告の連絡が来ます。電力会社からこれらの連絡を受けたら、電気が止められないように、すぐに電気代を支払いましょう。

2. 電気代を滞納したらどうなる?リスクは?

電気代を滞納すると、以下のようなリスクが生じます。電気代は必ず支払期限までに支払うように努め、もし遅れてしまってもすぐに滞納を解消することが大切です。

2-1. 延滞利息が発生する


電気代の支払期限を過ぎると、1日ごとに延滞利息が発生します。

たとえば東京電力では、年10%の割合による延滞利息が発生します。1日当たりの金額は、滞納額に対して約0.03%です。1万円の電気代を滞納した場合、1日ごとに約3円の延滞利息が積み重なっていきます。

延滞利息が増えると、電気代の支払い負担はどんどん重くなります。速やかに滞納を解消し、延滞利息の発生を食い止めましょう。

2-2. 督促状が送付される


電気代を滞納すると、電力会社から督促状が送られてきます。督促状には、滞納している電気代を速やかに支払うよう求めるとともに、支払わなければ電気の供給を停止する旨などが記載されています。

電力会社からの督促状はプレッシャーに感じるかもしれませんが、速やかに電気代を支払わないと電気を止められてしまいます。督促状を受け取ったら、すぐに電気代を支払いましょう。

2-3. 送電が停止される(電気が止まる)


電気代の支払期限から20日程度が経過すると、いつ電気を止められてもおかしくありません。電気が止まると、生活に大きな悪影響が生じるので、速やかに電気代の滞納を解消してください。

2-4. クレジットカードでの支払いを滞納すると「ブラックリスト入り」する


電気代をクレジットカードで支払っている場合は、引き落とし日までに対象となる預貯金口座の残高を準備する必要があります。口座残高が不足していると引き落とされず、クレジットカード料金が滞納状態となります。

クレジットカード料金の滞納が2カ月から3カ月程度以上続くと、その情報が個人信用情報機関に登録されます。これは「ブラックリスト入り」と呼ばれる状態で、ローンやクレジットカードが利用できなくなるなどのデメリットが生じてしまうので十分注意してください。

2-5. 電気の供給契約を解除される


電気代の滞納が長期間にわたると、電気の供給を止められるだけでなく、電力会社との契約そのものを解除される可能性があります。契約が解除されると、再契約するまで電気の供給が再開されません

2-6. 最終的に給与や財産を差し押さえられるおそれも


滞納されている電気代を回収するため、電力会社(または委託や債権譲渡を受けた債権回収会社)は訴訟を提起する可能性があります。訴訟で電気代の支払いを命じる判決が確定すると、その後に強制執行の申立てが行われ、給与や預貯金などを差し押さえられてしまいます

給与や預貯金の差し押さえは生活に大きな影響を及ぼすので、その前に滞納を解消することが重要です。

3. 電気代を滞納してしまった場合の対処法

電気代を滞納してしまったら、以下の方法を検討してください。

  • 契約先の電力会社に相談する

  • 公的支援制度を利用する

  • 親族などに援助を求める

  • 契約を解除された場合は、滞納を解消したうえで再契約する

  • 債務整理を行う

3-1. 契約先の電力会社に相談する


電気代を支払うことができない事情を電力会社に伝えれば、支払いや送電の停止を待ってもらえることがあります。支払いが難しいことが分かった段階で、速やかに電力会社に連絡しましょう

3-2. 公的支援制度を利用する


お金に困っている人は、以下のような公的支援制度を利用できる場合があります。

公的支援制度の名称

概要

申請窓口

生活福祉資金貸付制度

低所得世帯・障害者世帯・高齢者世帯向けの貸付制度

自治体の社会福祉協議会

臨時特例つなぎ資金

貸付制度

失業などによって住居を失い、

生活の維持が困難になっている人向けの貸付制度。

生活保護や貸付制度の申請中に利用できることがある

自治体の社会福祉協議会

母子父子寡婦福祉資金

貸付金制度

母子家庭・父子家庭・寡婦を対象とする貸付制度

自治体の福祉事務所

雇用保険の基本手当

失業者を対象とする給付

ハローワーク(公共職業安定所)

生活保護

自力で十分な収入を得られず、

親族からの援助も受けられない人のための給付

自治体の福祉事務所

住宅確保給付金

失業者などが住居を確保するための給付

自治体の生活困窮者自立相談支援機関

公的支援制度の申請が認められれば、収支が改善されて電気代を支払えるようになるかもしれません。まずは、自治体の窓口などに相談してみましょう。

3-3. 親族などに援助を求める


電気代が払えないときは、親族などに援助を求めることも検討してください。特に両親や兄弟姉妹などに頼れる人がいる場合は、電気代が払えない事情を丁寧に説明すれば、援助してもらえる可能性があります。

3-4. 契約を解除された場合は、滞納を解消したうえで再契約する


電力会社によって契約が解除されてしまったときは、電気の供給を再開してもらうために再契約が必要です。

ただし、電気代の滞納を解消しなければ再契約はしてもらえません。どうしても電気代が払えないときは、債務整理などを検討してください。

3-5. 債務整理を行う


電気代がどうしても支払えないなら「債務整理」が有力な解決策となります。

債務整理は、債権者(電力会社など支払いを請求できる権利を持つ側)との交渉や裁判所の手続きを通じて、債務(=お金を支払う義務)を軽減または免除してもらうものです。主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があります。

債務整理の種類

概要

任意整理

電力会社などの債権者と交渉して、

利息・遅延損害金(延滞利息)のカットや

支払いスケジュールの変更などを行います。

裁判所を通さずに行うため、手間や時間がそれほどかかりません。

財産も処分されません。

個人再生

裁判所を通じて再生計画の決議・認可を受け、

その内容に従って借金や電気代などの債務が減額されます。

任意整理よりも大幅に債務を減額できることがあります。

担保権付きの財産は原則として処分されますが、

住宅ローンが残っている自宅は処分を回避できる制度が設けられています。

自己破産

裁判所を通じて、借金や電気代などの債務を免除してもらいます。

税金など一部の例外を除き、債務がゼロになるので、

生活を根本的に立て直せます。

ただし、高価な財産などは処分されてしまいます。

適切な方法で債務整理を行えば、借金や電気代などの支払いに苦しむ状況から抜け出せます。返済に不安がある場合は、弁護士や司法書士に相談しましょう。

4. 電気代の滞納によって電気が止まるのを防ぐためのポイント

電気代の滞納を続けると、電気の供給が止められてしまいます。電気が止まるのを防ぐため、次の対策を心がけましょう。

4-1. 支払期限を忘れないように管理する


電気代の支払いをうっかり忘れることがないように、支払期限を正しく把握しておきましょう。クレジットカードで支払っている場合は、引き落とし日を把握したうえで、その日までに残高を準備することが大切です。

4-2. 支払方法を自動引き落としにする


銀行振込などによって電気代を支払っている場合は、送られてきた請求書の存在を忘れてしまい、支払いを忘れるおそれがあります。

このような事態を防ぐには、電気代の支払方法を預貯金口座からの自動引き落としに変更する方法があります。期日が来れば自動的に電気代が引き落とされるので、支払いを忘れる心配がなくなります。

なおクレジットカード払いの場合と同じく、引き落とし日の時点で残高が不足していると、電気代が引き落とされずに滞納状態となる点に注意してください。

4-3. 生活スタイルに合った料金プランに変更する


電気代の料金プランが生活のスタイルに合っていないと、必要以上に高い電気代を支払うことになりかねません。

たとえば基本料金の額は、契約するアンペア数によって決まるのが一般的です。どのくらい電気を使うのかを見積もったうえで、必要十分な水準までアンペア数を下げるとよいでしょう。

また、電気代の料金体系は電力会社によって異なります。他社のプランも確認したうえで、現在の契約よりも安いものがあれば乗り換えを検討しましょう。

4-4. 支払いが難しくなったら、早めに専門家へ相談する


電気代の支払いが難しくなったら、早い段階で弁護士や司法書士に相談することが大切です。それぞれに適した解決策をアドバイスしてもらえます。

相談の時期が早ければ早いほど、解決に向けてとり得る選択肢の幅が広がります。状況が深刻化する前に、弁護士や司法書士に相談しましょう。

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5. 借金や電気代の支払いが苦しい場合に、弁護士や司法書士に相談するメリット

借金や電気代の支払いが苦しくなったら、早い段階で弁護士や司法書士に相談しましょう。弁護士や司法書士に相談する主なメリットは次のとおりです 。

5-1. 状況に応じた解決方法についてアドバイスを受けられる


借金や電気代の滞納に関する問題を解決するため、とるべき方法は状況によって異なります。債務整理を行うとしても、任意整理・個人再生・自己破産のうち適切な方法を選択しなければ、根本的に問題を解決できません

弁護士や司法書士に相談すれば、自分が置かれている状況に応じた解決策をアドバイスしてもらえるので、借金問題の解決に向けて適切な方法を選択できます。

5-2. 債務整理の手続きを任せられる


弁護士や司法書士に依頼すると、債務整理に関する手続きを任せることができます。知識と経験を活かして適切に手続きを進めてもらえる点や、労力や精神的な負担を軽減できる点が大きなメリットです。

ただし、司法書士は弁護士よりも対応できる業務の範囲が限られている点に注意してください。

司法書士は、1社当たり140万円を超える任意整理を取り扱うことができません。また、個人再生や自己破産の代理人になれないので、裁判所や破産管財人とのやりとりなどは依頼者本人による対応が必要です。

5-3. 督促や返済を一時的に止めることができる


弁護士や司法書士は、依頼を受けたらすぐに債権者へ受任通知を送付します。受任通知が債権者に届くと、それ以降は督促などの連絡が弁護士や司法書士に対して行われるようになります。本人への連絡は行われなくなるので、督促などのストレスが大幅に軽減されるでしょう。

また、借金や電気代などの支払いも止めることができるので、生活を立て直すための時間を確保できます。弁護士費用や司法書士費用についても、返済などを止めている間に積み立てることができます。

6. 弁護士費用や司法書士費用が準備できない場合の対処法

弁護士や司法書士に依頼する際には、費用を支払う必要があります。弁護士費用や司法書士費用を準備できないときは、次の方法を検討してください。

6-1. 法テラスを利用する


法テラスは、市民と法専門家の距離を近づけるために設立された公的機関です。収入と資産の額がいずれも一定水準以下である場合は、法テラスを通じて弁護士や司法書士に依頼できます。費用が通常よりも安いことに加えて、法テラスに立替払いをしてもらえるので、まとまったお金を持っていなくても弁護士や司法書士に依頼できます

法テラスを利用する場合は、全国に設置されている地方事務所の窓口で申し込むか、または法テラスと契約している弁護士・司法書士を通じて申し込みましょう。

6-2. 分割払いや後払いの相談をする


借金や電気代の支払いに困っている人に対しては、多くの弁護士や司法書士が分割払いや後払いの相談に応じています。支払いが難しい事情を正直に伝えて、分割払いや後払いをお願いしてみましょう

7. 電気代の滞納によって電気が何カ月で止まるのかについてよくある質問

Q. 滞納していた電気代を支払った後、何日くらい経つと送電が再開される?


電力会社の混み具合によっても異なりますが、平日に支払った場合は当日か翌日、土日祝日に支払った場合は次の平日に再開されるケースが多いです。ただし、金曜や祝前日の午後に支払った場合は、次の平日の再開となることがあります

Q. 引っ越し後に解約を忘れて滞納してしまった電気代は、支払う必要がある?


支払う必要があります。電力会社の請求に応じて、速やかに支払ってください。

Q. 電気代が支払えない場合は、分割払いにできる?


電力会社との交渉により、分割払いが認められることもあります。弁護士や司法書士に相談してください。

8. まとめ 電気代の支払いが難しい場合は早めに弁護士などに相談を

電気代の支払期限から20日程度滞納すると、電気が止められる可能性があります。最終的には、給与や預貯金などを差し押さえられるリスクもあるので要注意です。

電気代の支払いが難しくなったら、早い段階で弁護士や司法書士に相談しましょう。状況に合わせた解決策をアドバイスしてもらえるとともに、債務整理の手続きを任せることができます。弁護士や司法書士のサポートを受けながら、根本的な生活の立て直しを目指しましょう。

(記事は2026年8月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

阿部由羅(弁護士)

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ゆら総合法律事務所 代表弁護士
西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。債務整理案件のほか、離婚・相続案件や、ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務などを得意とする。埼玉弁護士会所属。登録番号54491。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
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