自己破産の反省文の書き方とは? 【例文つき】書式とポイントを解説

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自己破産で反省文が求められることがあり、免責の可否に影響する場合もあります(c)Getty Images
自己破産の手続きでは、「反省文」の提出が求められる場合があります。とくに免責不許可事由にあたる行為があった場合は、その内容や経緯を説明し、反省の姿勢を示すことが重要です。 反省文には、破産に至った経緯や反省の気持ち、今後の生活再建への姿勢を具体的かつ誠実に書く必要があります。 自己破産における反省文の役割や書き方、注意点について、弁護士がわかりやすく解説します。

目 次

1. 自己破産の反省文とは?

2. 自己破産の反省文が求められるケースとその理由

3. 自己破産の反省文の書き方

3-1. 反省文に記載すべき内容と意識すべきポイント

3-2. 反省文の用紙・書式

4. 反省文の例文(サンプル・テンプレート)

4-1. 浪費で借金を作った場合

4-2. ギャンブルで借金を作った場合

4-3. 2回目の自己破産の場合

5. 反省文作成など、自己破産の手続きに不安があるなら弁護士に相談を

6. 自己破産の反省文に関してよくある質問

7. まとめ 免責を得るには誠実な対応が重要
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1. 自己破産の反省文とは?

自己破産を申し立てた際、裁判所や破産管財人から「反省文」の提出を求められることがあります。

法律で義務づけられたものではなく、常に必要になるわけではありません。

反省文には、借金を抱えるに至った経緯やその原因、債権者への謝罪の気持ち、今後の生活を立て直す意思などを、自分の言葉で丁寧に書きます。形式的な内容ではなく、本人がきちんと状況を理解し、反省しているかを確認するために提出を求められるものです。

2. 自己破産の反省文が求められるケースとその理由

自己破産の手続きにおいて、「反省文」はすべての人に求められるわけではありません。反省文の提出が求められるのは、借金の原因に問題があると判断される「免責不許可事由」がある場合が中心です。

たとえば、借金の理由がギャンブルや浪費である、クレジットカードの使いすぎである、資産を隠した経歴があるなどの場合、法律上は借金の免除(免責)が許されないこともあります。これが「免責不許可事由」と呼ばれるものです。

免責不許可事由があっても、必ず免責が否定されるわけではありません。裁判所は、事情を総合的に判断したうえで、例外的に免責を認めることがあります。これを「裁量免責」といいます。

裁量免責を判断する材料の一つとして、反省文の提出が求められます。本人がなぜ借金を抱えたのか、何を反省し、これからどう立て直していこうとしているのかを、自分の言葉で誠実に記すことが大切です。

反省の気持ちが伝わる内容であれば、裁量免責が認められる可能性も高まります。

3. 自己破産の反省文の書き方

反省文は、自己破産の経緯や今後の見通しを裁判所に伝える大切な書面です。内容に決まった形式はありませんが、伝えるべき要点や心構えがあります。以下では、反省文に書くべき内容と書き方のポイントを整理します。

3-1. 反省文に記載すべき内容と意識すべきポイント


反省文では、次のような内容を盛り込むとよいでしょう。大切なのは、真摯な反省の気持ちと、再出発に向けた意思をきちんと伝えることです。

以下が反省文に記載すべき内容です。

  • 借金を抱えるに至った原因や経緯

  • 借金後から自己破産に至るまでの過程や気持ちの変化

  • 債権者や家族など、周囲への影響とそれに対する反省

  • 今後、生活を立て直すために取り組む具体的な行動

借金の原因や経緯は丁寧に説明し、「安易に自己破産を選んだわけではない」姿勢を示すことも大切です。たとえば、返済の努力を続けていたことや、苦悩の中で最終的にやむを得ず申し立てに至ったことなどを書き添えると、理解されやすくなります。

さらに、債権者にとっては債務が免除されれば貸したお金が返ってこなくなります。周囲に迷惑をかけたことへの認識と反省も、率直に言葉にしましょう

加えて、今後の生活をどう立て直すのか、再発防止のための具体的な行動(就労の継続、家計管理の見直しなど)も伝えると、再起に向けた意欲がより明確に伝わります

3-2. 反省文の用紙・書式


反省文の形式について、裁判所や破産管財人から特に指定がある場合は、それに従う必要があります。指定がなければ原稿用紙や便箋など自由に選べます。手書き・パソコンいずれでも問題ありませんが、読みやすく丁寧に書くことが大切です。

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4. 反省文の例文(サンプル・テンプレート)

反省文の書き方に悩む方に向けて、実際の例文をご紹介します。ご自身の事情にあわせて適宜書き換えて使うことが前提となりますが、全体の構成や表現の参考としてご活用ください。

4-1. 浪費で借金を作った場合


私〇〇〇〇は、借金の返済ができなくなり、やむを得ず自己破産を申し立てました。これにより多くの方にご迷惑をおかけしてしまったことを深く反省し、関係するみなさまにお詫びを申し上げます。

借金のきっかけは、趣味のバイクやパチンコ・パチスロへの出費でした。私はタクシー運転手として働いていましたが、バイクレースで転倒し骨折する事故に遭いました。この事故で、治療費やバイクの修理費など多くの支出が発生し、しばらく仕事にも復帰できず、収入が途絶えました。

それまでは借り入れがあっても、働いて返済できていました。しかし、事故を機に生活が大きく変わり、出費が続く一方で収入がなくなったため、借金が膨らみ続けました。返済の目処が立たず、将来への不安や恐怖も日に日に増していきました。

そもそも、浪費につながる趣味に深くのめり込み、家計を顧みずにお金を使っていた自分の甘さが、借金の根本的な原因だったと思います。お金の使い方に対する意識が欠けており、結果として債権者の皆さまに多大なご迷惑をおかけすることになってしまいました。

今後は、まずパチンコやパチスロといった無駄遣いはやめると決めました。バイクについても、これまでのように感情のままにお金を使うのではなく、支出の上限をあらかじめ定め、金額を記録するなどして、管理を徹底するつもりです。

けがの治療が終わり次第、再びタクシー運転手として働き、安定した収入を得られるよう努めます。そして、日々の支出を把握するために家計簿をつけるなど、収入の範囲内で生活できるよう、お金の使い方を見直していきます。

これからは、借入に頼らず、計画的にお金を使い、同じ過ちを繰り返さないよう注意して生活してまいります。

このたびは、誠に申し訳ありませんでした。

4-2. ギャンブルで借金を作った場合


私〇〇〇〇は、ギャンブルを原因として多額の借金を抱え、自力での返済が困難となったため、自己破産の申立てを行うに至りました。借入先をはじめ、多くの関係者に多大なご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。

借金の主な原因は、パチンコやパチスロ、競馬などのギャンブルへの依存でした。特にパチンコ・パチスロには深くのめり込み、勝ったときの高揚感がストレス解消の手段となっていました。私は普段配管工として働いていますが、仕事上のストレスや人間関係の悩みを抱える中で、気づけば休日や仕事終わりに頻繁にパチンコ店へ足を運ぶようになっていました。

ギャンブルの費用は当初、給料の範囲内で賄っていましたが、次第に足りなくなり、安易な気持ちで消費者金融から借り入れを始めました。最初のうちは「すぐに返せる」と思い込み、実際に一度はギャンブルで得たお金で借金を返済できたこともあり、深刻に考えていませんでした。

しかし、当然ながらギャンブルは常に勝てるものではなく、次第に損失が増えていきました。負けを取り戻そうとさらにお金を借り、またギャンブルに使うという悪循環に陥りました。借金が膨らみ始めた頃には、自分でも危機感を持ちながらも、現実から目を背け続けていました。

そんな私に、ある日、友人が「このままだと本当に取り返しがつかなくなる」と真剣に忠告してくれました。その言葉でようやく自分の行動を振り返ることができ、ギャンブルに頼って借金を返そうとしていた自分の甘さと向き合いました。

現在はギャンブルを断ち、専門の医療機関で依存症治療を受けています。カウンセリングでは、ストレスの対処法や、どのような状況でギャンブルに走りやすいかなどを分析し、自分自身と向き合う時間を大切にしています。また、収支の管理にも力を入れ、家計簿をつけて現実的な生活設計を立てるようになりました。

仕事はこれまで通り継続していますが、ギャンブルに使っていた時間とお金を、自身の回復と生活の安定に充てるよう努めています。経済的にも精神的にも立て直しができるよう、地に足をつけて再出発を図っていきます。

今回、自己破産という選択を取らざるを得なかったことは、人生の大きな反省材料です。同じ過ちを繰り返さぬよう、自らの行動を改め、誠実に生活していくことをここに誓います。

重ねて、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。

4-3. 2回目の自己破産の場合


自己破産の申し立てをするのは、今回で2度目になります。25年前の1回目の破産では、若さと経験不足から借金を重ねてしまったことを深く反省し、二度と同じことを繰り返すまいと心に決めて生活してきました。しかし今回、やむを得ない事情により、再び自己破産の選択をせざるを得なくなりました。

きっかけは、体調の異変でした。ある日突然、仕事に支障が出るほどの不調が現れ、病院で検査を受けたところ、がんが見つかりました。すぐに命に関わるがんではないものの、治療と療養が必要となり、会社を辞めざるを得なくなりました。再就職もすぐには難しく、収入が途絶えた中で治療費の負担が増していきました。

住宅ローンは、5年前、50歳のときに中古マンションを購入した際に組んだものです。その当時は正社員として安定して働けており、今後も同じ生活が続くものと信じて疑いませんでした。しかし、病気によって働けない状況となったことで、ローンの返済は困難になりました。手元にある貯金ではとても補えず、任意整理なども検討しましたが、住宅ローンの額と収入の見込みを踏まえ、最終的に自己破産を選ばざるを得ませんでした。

債権者の皆様にご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳なく、心よりお詫び申し上げます。また、同居する家族にも大きな負担と不安をかけてしまい、責任の重さを痛感しております。

1回目の自己破産は、30歳の頃でした。就職氷河期の影響で正社員として就職できず、派遣社員として働いていましたが、派遣先の終了や次の仕事が見つからないことが重なり、生活費の不足を消費者金融からの借り入れで補うようになってしまいました。やがて借金が膨らみ、返済ができなくなったことから、自己破産の手続きを取りました。

その後は、二度と同じことを繰り返さないよう、正社員としての就職を目指し、ようやく安定した職に就くことができました。以後、20年以上にわたり、借金をすることなく堅実に生活を続けてきました。

しかしながら今回、体調不良という避けがたい理由で仕事を辞めることになり、収入を得ることができない状況が続いています。今は治療に専念し、家族の支えを受けながら、回復に努める毎日です。

思い返せば、正社員として働けるようになったことで安心し、無理な計画で住宅ローンを組んでしまったことも反省すべき点でした。もう少し慎重に判断し、十分な頭金を用意したうえでローンを組むなど、将来のリスクも踏まえて行動すべきだったと痛感しています。

今後は、免責が認められ、再び働けるようになったときには、生活を見直し、収入の範囲内で堅実な暮らしを続けていきたいと考えています。

このたびは、ご迷惑をおかけしたすべての方に深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした。

5. 反省文作成など、自己破産の手続きに不安があるなら弁護士に相談を

自己破産の反省文は、書き方に悩む方も少なくありません。どのような内容を、どの程度の熱量で書けばよいのか不安な場合は、早めに弁護士へ相談するのが安心です。

弁護士であれば、反省文の構成や表現のアドバイスをしてくれるだけでなく、実際に書いた内容を確認して修正点を指摘してくれることもあります。また、自己破産の申立て手続き自体を代理してもらえるため、精神的な負担も軽くなります

「自己破産をすべきかどうか」というところから迷っている方でも問題ありません。借金問題を一人で抱え込まず、債務整理に詳しい弁護士に早めに相談することが、生活再建の第一歩となります。

6. 自己破産の反省文に関してよくある質問

Q. 自己破産の反省文は、どのくらいの文字数で書くべき?


決まりはありませんが、借金に至った経緯や反省の気持ち、再発防止の工夫などを丁寧に書くと、1000文字ほどになることが多いようです。

Q. 自己破産の反省文は縦書き?横書き?


裁判所や破産管財人の指示があれば、それに従いましょう。特に指定がない場合は、どちらでも問題ありません。

Q. 自己破産の反省文は手書きが必要?パソコンで作ってもいい?


これも指定があれば指示に従います。ない場合は、手書き・パソコンどちらでも構いません。迷ったときは事前に確認すると安心です。

Q. 手書きで反省文を書く場合はボールペン?筆ペン?


消えないものであれば問題ありません。無理に筆ペンを使う必要はありません。

Q. 同時廃止事件でも、反省文の提出は必要?


免責不許可事由がないと判断されるケースでは、反省文の提出は求められないことが一般的です。

Q. 自己破産の反省文と陳述書はどう違う?


陳述書は申立てに必須の書類で、借金に至る経緯を説明します。一方、反省文は必要に応じて提出する書類で、反省の姿勢を示すものです。

7. まとめ 免責を得るには誠実な対応が重要

自己破産の手続きにおいて、免責不許可事由があるとされる場合でも、事情を丁寧に説明し、反省の姿勢を示すことで免責が認められる可能性があります。その際に提出を求められるのが反省文です。

反省文は、形式よりも誠実さや具体性が重視されます。どのような経緯で借金を重ねたのか、現在どのように生活を立て直そうとしているのかを、自分の言葉で率直に記すことが大切です。

反省文を含む自己破産手続きに不安があるときは、早めに弁護士へ相談することで、状況に応じた助言やサポートを受けられます。手続きを円滑に進めるためにも、専門家の力を借りながら、誠実に向き合っていきましょう。

(記事は2025年9月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

岡島賢太(弁護士)

岡島賢太(弁護士)

秋葉原あやめ法律事務所 代表弁護士
第二東京弁護士会所属、登録番号61433。債務整理の分野では、主に個人を対象とした自己破産等の案件を積極的に取り扱っており、個人消費者の経済的な立ち直りをサポートしている。また、法律トラブルで困っている方に必要な情報をわかりやすく伝える一般向け法律解説記事の執筆を得意としており、専門家と一般の方との架け橋をつくり、つなぐことをめざしている。各分野の執筆記事多数。東京大学文学部卒業。
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