アコムに過払い金請求したいと思ったら? 手続きの流れと期間

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長年アコムへの返済を続けていると、過払い金を請求できる可能性があります(c)Getty Images
過去に消費者金融のアコムから借り入れをしていた場合や、長年にわたってアコムへの返済を続けている場合、過払い金の返還を請求できる可能性があります。 もっとも、アコムからの借り入れの履歴を確認するのは自分では難しい場合もあるうえ、過払い金の有無を確認するためには、弁護士などによる専門的な判断が必要になるケースがあります。 また、弁護士などの専門家であれば、アコムを含む借金問題についても相談できるでしょう。戻ってくる過払い金額が知りたい場合や借金問題全般について相談したい場合には、早めに弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。 アコムに対して過払い金の返還を請求できる場合や、過払い金の返還を受けられる条件などについて、弁護士が解説します。

目 次

1. アコムに対しても過払い金請求は可能?

2. 過払い金請求へのアコムの対応の傾向

3. アコムの過払い金は平均でいくら?  計算方法は?

4. アコムから過払い金が戻ってくるための条件

4-1. 2007年6月17日以前にアコムまたはアコムマスターカードから借り入れた

4-2. 時効が完成していない

5. アコムから過払い金が戻ってこないケース

5-1. 2007年6月18日以降にお金を借りた

5-2. DCキャッシュワンのみからお金を借りている

5-3. アコムマスターカードのショッピングのみを利用していた

5-4. すでに時効が完成している

5-5. 過去に和解で過払い金請求をしないと合意していた場合

5-6. アコムが倒産する

6. アコムに対する過払い金請求の流れ|所要期間も紹介

6-1. 【STEP1】取引履歴の取得

6-2. 【STEP2】引き直し計算

6-3. 【STEP3】和解交渉

6-4. 裁判

7. アコムに対する過払い金請求のメリットとデメリット

7-1. 過払い金請求のメリット

7-2. 過払い金請求のデメリット

8. アコムに対する過払い金請求は自分でできる?

9. アコムに対する過払い金請求について、弁護士や司法書士に相談するメリット

10. アコムへの過払い金請求に関連してよくある質問

11. まとめ アコムに過払い金返還請求をしたい場合は弁護士に相談を
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1. アコムに対しても過払い金請求は可能?

「過払い金」とは、利息制限法が定める上限の金利を超えて払いすぎた金銭を指します。利息制限法で定められている上限金利は、借入金額が10万円未満の場合は年20%、10万円以上100万円未満の場合は年18%、100万円以上の場合は年15%となっています。

払いすぎたお金は、法律上の根拠なく受け取ったものとして返還を請求できます。アコムは利息制限法の上限を超えた利率で貸し付けをしていた時代があるため、過去にアコムから借り入れをしていた場合には、過払い金の返還を請求できる可能性があります。

2. 過払い金請求へのアコムの対応の傾向

アコムに過払い金の返還を請求する場合、まずは交渉を行うのが一般的です。交渉の結果、ある程度の金額の返還を受けられるケースもありますし、金額に納得がいかない場合には裁判に移行するケースもあります。裁判を起こしたあと、判決ではなく和解で解決するケースもあります。

もっとも、交渉、裁判所での和解いずれの場合であっても、返金の時期は数カ月先を指定される事例が広く見られます

3. アコムの過払い金は平均でいくら?  計算方法は?

アコムからの過払い金は、借り入れ額やそれまでの返済額によって異なります。また、平均値については特に公式のデータはありません。そのため、平均でどの程度の金額かは一概には言えません。

過払い金を計算する場合、アコムから取引履歴の開示を受けて、それまでの借り入れ額と返還額をもとに、適法な利率で借り入れをしたものとして計算をし直します。これを「引き直し計算」と言います。

過払い金は利息をつけて請求するのが一般的なので、引き直し計算の際にはその点も考慮する必要があります。複雑かつ専門的な計算になるので、専門家に対応を依頼するのが望ましいでしょう。

4. アコムから過払い金が戻ってくるための条件

アコムから過払い金を取り戻すための条件について解説します。

4-1. 2007年6月17日以前にアコムまたはアコムマスターカードから借り入れた


アコムは2007年6月18日、利息制限法の上限を超えた金利を自主的に解消しました。そのため、アコムからの借り入れやアコムマスターカードでのキャッシングを利用していた場合で、かつ借り入れ日が2007年6月17日以前であれば、過払い金が戻ってくる可能性があります。

4-2. 時効が完成していない


【最終取引日が2020年4月1日よりも前の場合】
最終取引日から10年以上の期間が経過していると、アコムから消滅時効を主張されます。

【最終取引日が2020年4月1日以降の場合】
2020年4月1日施行の民法改正により、消滅時効については「権利を行使できる時から10年が経過したとき」または「権利を行使できることを知った時から5年が経過したとき」のいずれか早いほうで消滅時効が完成するとされました。

これを前提とすると、最終取引日が2020年4月1日以降である場合、過払い金の返還を請求できると知ったタイミングから5年間が経過したとき、または最終取引日から10年間が経過したときの、いずれか早いほうで時効が完成します。

この場合も、2020年4月1日よりも前に発生していた過払い金については、改正前の民法が適用される可能性、改正後の民法が適用される可能性の両方が考えられます。そのため、過払い金の返還を請求できると判明した場合には、5年以内に請求するようにしましょう

なお、アコムに対する借金が残っている場合でも、借り入れ開始日によっては過払い金の返還を請求できる可能性があります。 

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5. アコムから過払い金が戻ってこないケース

アコムからの過払い金が戻ってこないケースは主に以下の6つです。

5-1. 2007年6月18日以降にお金を借りた


アコムの場合、2007年6月18日以降は利息制限法を超えた利息での貸し付けがされていません。そのため、借り入れが2007年6月18日以降の場合、過払い金の返還は請求できない可能性が高いです。

ただし、「それよりも前に借り入れがあり、いったん完済していた場合」などケースによっては過払い金が発生している可能性もあるため、確認のために弁護士などの専門家への相談をお勧めします。

5-2. DCキャッシュワンのみからお金を借りている


DCキャッシュワンは2009年5月1日にアコムに吸収合併されましたが、利息制限法を超える貸し付けは行っていませんでした。そのため、DCキャッシュワンのみから借り入れをしていた場合は、過払い金の返還は請求できません。

5-3. アコムマスターカードのショッピングのみを利用していた


アコムマスターカードのショッピングのみを利用していた場合、アコムが利用者に代わって立て替え払いをしているだけで、お金を貸しているわけではありません。そのため、利息制限法は適用されません

また、ショッピング利用分の返済をするときに支払う手数料は、利息制限法の規制対象となる「利息」には該当しません。したがって、ショッピングのみを利用していた場合は、過払い金の返還は請求できません。

5-4. すでに時効が完成している


最後の借り入れ、または返済から10年以上が経過している場合、過払い金の返還を求める権利についての消滅時効が完成します。そのため、過払い金の返還は請求できません。

また、最終取引日が2020年4月1日以降の場合は、過払い金の返還を請求できると知ったときから5年以上が経過すると、アコム側から消滅時効を理由に過払い金の返還を拒否されたり、裁判所で消滅時効が完成していると判断されたりする可能性があります。

5-5. 過去に和解で過払い金請求をしないと合意していた場合


過去に弁護士や司法書士に任意整理を依頼した場合、その時点で過払い金が発生していれば、借金の残高から過払い金を引いた残額について分割払いの合意をしている可能性が高くなります。このように、過去に過払い金を清算するかたちで任意整理をしていた場合は、過払い金の返還は請求できません

また、過去に弁護士や司法書士に依頼せずにアコムで任意整理をした場合、アコムとの間に「過払い金を含むほかの借金がない」と確認している可能性が高いです。その場合、アコムに対して過払い金の返還は請求できません。

5-6. アコムが倒産する


仮にアコムが破産をした場合、破産などの法的整理の手続きに債権者として参加すれば、過払い金の返還を受けられる可能性はあります。

ただし、万が一そうなった場合はアコムに十分な資産が残っていない可能性が高いため、過払い金の一部しか返還を受けられない、あるいは全く返還を受けられない可能性があります。

6. アコムに対する過払い金請求の流れ|所要期間も紹介

アコムに過払い金を請求する際には、以下のような流れで進めていきます。

  1. 取引履歴の取得

  2. 引き直し計算

  3. 和解交渉

  4. 裁判

6-1. 【STEP1】取引履歴の取得


アコムに過払い金の返還を請求する場合、まずはアコムに対して過去の取引履歴の開示を求めます。取引履歴には、借り入れ日、借り入れ額、返済日、返済額などが記載されています。

取引履歴の開示は、多くの場合1カ月から数カ月で受けられます。ただし、借り入れ開始日によっては開示までに時間がかかる場合もあります。

6-2. 【STEP2】引き直し計算


開示された履歴をもとに、計算式が設定されたエクセルファイルに日付や数字を打ち込んで引き直し計算を行います。弁護士や司法書士に依頼した場合、依頼した専門家にもよりますが、引き直し計算にはそれほど時間がかからないケースが多いです。

ただし、取引期間が長い場合や複数の取引がある場合は、作業に時間がかかる可能性もあります。

6-3. 【STEP3】和解交渉


過払い金があると判明した場合、アコムと交渉して過払い金の返還をしてもらえるよう求めます。交渉で解決する場合は、おおむね数カ月かけて合意内容を詰めていく場合が多いようですが、支払い期限については数カ月から半年など、かなり先にしてもらうよう求められる可能性があります。

6-4. 裁判


アコムと交渉をしても納得のいく過払い金の返還を受けられない場合、裁判を起こして過払い金の返還を求めます。裁判の場合、早くても半年程度の期間が必要となり、裁判を起こしてから裁判が終わるまで1年以上かかる場合もあります。

また、裁判を起こしたうえで、裁判上での和解を成立させる場合には、交渉の場合と同様に支払い期限を数カ月以上あとにするよう求められるケースもあります。

7. アコムに対する過払い金請求のメリットとデメリット

アコムへの過払い金請求に関してはメリットがある一方、デメリットも存在します。

7-1. 過払い金請求のメリット


アコムからの借金をすべて返済している場合、過払い金の返還を請求して相手が受け入れれば、手元に現金が戻ってくるメリットがあります。

また、現在もアコムに返済中であれば、過払い金を借金の返済に充てて返済額を減らせる可能性があります。借入額の残高によっては、手元に現金が戻ってくるケースもあるでしょう。

7-2. 過払い金請求のデメリット


アコムに対して過払い金の請求をした場合、アコムやその関連会社から新たな借り入れやクレジットカードの利用を拒否される可能性がある、という点はデメリットです。

また、アコムからの借金返済中に過払い金の返還請求をする場合で、残債(借金でまだ返していない残りの金額)と発生した過払い金の額を相殺させてもなお借金が残っている場合には、アコムから追加の借り入れができなくなるほか、個人のクレジットカードやローンの利用状況を扱う信用情報機関に過払い金返済請求の情報が登録され、アコム以外からの借り入れやクレジットカードの利用もできなくなる可能性があります。そのため、過払い金の返還を請求する前に専門家に相談し、そもそも過払い金が発生している可能性があるのか、過払い金が借金を上回るかどうかなど、可能な範囲で見通しを立てておくようにすると安心です。

一方、すでにアコムに対する借金をすべて返済していて、ほかにクレジットカードの利用や借り入れがなく、将来これらを利用する予定もない場合、過払い金を請求するデメリットは特にありません。

8. アコムに対する過払い金請求は自分でできる?

アコムに対する過払い金の請求を自分で行うのは不可能ではありません。もっとも、過払い金の返還を受けるためには、取引履歴の開示を求めたり、引き直し計算をしたりと、さまざまな準備を行う必要があります。

また、専門家に依頼せずにアコムと交渉する場合、交渉時に自分に不利な条件を提示されても気がつかずに和解してしまう可能性があります。そして、裁判をする場合は裁判所に出す書類や証拠の準備なども必要になるため、そういった手続きに慣れていない場合は大きな困難を伴います。

過払い金請求を自分で行えば依頼費用はかかりませんが、手間や時間を考えると弁護士や司法書士などの専門家に依頼するのが望ましいと言えるでしょう。

9. アコムに対する過払い金請求について、弁護士や司法書士に相談するメリット

弁護士や司法書士に過払い金請求の依頼をすれば、取引履歴の開示や引き直し計算などの手続きをすべて任せられ、負担を軽減できます。また、仮にアコムから不利な条件での和解を求められた場合には、それに応じず交渉や裁判も有利な条件でスムーズに進められる可能性が高まります

さらに、専門家が対応することで、アコムとの直接のやりとりを避けられ、精神的なストレスを大きく軽減できます。過払い金の返還交渉は法律や裁判例に基づき行う必要があるため、高い専門性が求められます。早めに弁護士や司法書士に相談することで、より納得のいく結果を得やすくなるでしょう。

初回相談を無料で実施している事務所も多いため、まずは気軽に相談してみることをお勧めします。

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10. アコムへの過払い金請求に関連してよくある質問

Q. アコムに対する過払い金請求の裁判回数と裁判期間はどれくらい?


事案によって異なりますが、裁判は2回以上開かれるケースが多いようです。裁判自体は短くても半年程度かかり、より長期間を要する場合もあります。

Q. アコムに対して過払い金請求をしてから、入金までの期間はどのくらい?


交渉の場合、交渉開始から交渉が成立するまでは数カ月程度の期間を要し、交渉成立から入金までさらに数カ月かかるでしょう。

Q. アコムの過払い金の時効はいつ完成する?


アコムに対する過払い金の返還請求権は、最後に借り入れた日、または返済した日から10年間で消滅時効が完成します。また、最終取引日が2020年4月1日以降の場合は、過払い金の請求ができると知ったときから5年間経過した時点で消滅時効が完成していると判断される可能性があります。

過払い金の返還を請求できるとわかった場合には、早めの請求をお勧めします。

Q. 過払い金請求を弁護士に依頼すると、戻ってくる金額は変わる?


過払い金の請求を弁護士に依頼した場合、より多くの過払金の返還を受けられる可能性があります。自分で交渉するよりも有利な条件で和解できる可能性がありますし、交渉で納得がいかない場合、裁判への移行がスムーズに進むでしょう。

11. まとめ アコムに過払い金返還請求をしたい場合は弁護士に相談を

アコムから長期間にわたってお金を借りている場合、過払い金の返還を請求できる可能性があります。取引履歴を取得し、適法な利率による引き直し計算をして過払い金があると判明した場合には、アコムと交渉するなどして過払い金の返還を求めます。

ただし、過払い金の返還を求める権利には時効があり、最後の取引から10年以上が経過すると消滅時効が完成します。また、最終取引日が2020年4月1日以降の場合、さらに早く消滅時効が完成する可能性があります。

過払い金があるのではないかと思った場合には、弁護士などの専門家へ早めに相談しましょう。また、調査によって過払い金があるとわかった場合には、時効が完成する前になるべく早めに請求したほうがよいでしょう。

(記事は2025年8月1日時点の情報に基づいています)

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この記事を書いた人

後藤田環(弁護士)

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竹村法律事務所 弁護士
札幌弁護士会所属、登録番号5342010。自己破産、個人再生、任意整理など債務整理の事件を取り扱っている。自己破産については申立てのほか、過去に破産管財人に選任された経験もある。個人にとって債務整理は生活全体に関わる問題であるため、債務整理を通じて生活全体をよりよくしてほしいという思いを持っている。相談時は話しやすい雰囲気づくりを心がけている。
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