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1. アイフルの借金が時効で消滅することはある?
アイフルの借金は、借りた側が時効を援用することで返済する義務がなくなります。
民法では、お金を返してもらう権利などの債権は一定の期間が経過すると時効が完成し、時効の援用によって権利が消滅することが定められています。原則として、最後に返済をした日(一度も返済をしていない場合は最後の借入日)から5年間が経過すると時効が完成します。
基本的に、債権者(お金を貸した側)は時効が完成しないように対策をとります。それでも全ての債務者(お金を借りた人)に対して、時効が完成しないように対応することは難しいため、状況によっては時効が完成している可能性があります。
なお、株式会社ライフのキャッシング部門は、2011年7月にアイフルに吸収合併されています。そのため、株式会社ライフのキャッシングを利用したことがある場合は、アイフルに対して時効を援用することで借金を返済しなくてもよくなる可能性があります。
2. アイフルの借金が時効によって消滅する条件
改正前民法では、債権の消滅時効の原則的な時効期間を「権利を行使することができるとき」から10年と定め、そのうえで商行為によって生じた債権については「権利を行使することができるとき」から5年と定めていました。
2020年4月以降の改正後民法下で成立した債権については、「権利を行使することができることを知ったとき」から5年、または「権利を行使することができるとき」から10年のいずれか早い時点で時効が完成します。
アイフルは契約時に返済期限を定めており、債権者として返済期限が経過すると権利を行使できることを知っているのが通常です。そのため、改正後に成立した債権の消滅時効の期間は5年となります。消滅時効が完成している場合、お金を借りた人が内容証明郵便などで時効を援用する旨の意思表示をすることでお金を返す義務が消滅します。
アイフルの借金について消滅時効が完成する条件をまとめると、次の2つの条件を満たすときとなります。
アイフルとの最終取引日(最後にお金を返した日またはお金を返したことがない場合は最後の借入日)から5年以上が経過している
アイフルに対して、内容証明郵便などで消滅時効を援用する旨の意思表示をする
しかし、次の項で詳しく説明するとおり、この2つの条件を満たしている場合でも時効が完成しておらず、借金が消滅しないケースがあるため注意が必要です。
3. アイフルの借金に関する時効の援用が失敗してしまうケース
アイフルの借金に関する時効の援用は、下記に当てはまると失敗し、借金が消滅しない可能性があります。
アイフルに対して権利の承認(債務の承認)をしたことがある場合
アイフルから内容証明郵便で借金の返済を督促されてから6カ月以上経過していない場合
アイフルから訴訟を起こされていた場合
3-1. 権利の承認(債務の承認)をした場合
民法第152条で「時効は、権利の承認があったときは、その時から新たに進行を始める。」と定められています。つまり「権利の承認」があった場合、そのときから5年間が経過しないと消滅時効は完成しないことになります。
ここでいう「権利の承認」とは、アイフルに対して借金の返済義務があることを認める言動を意味します。例えば、アイフルから送られてくる以下のような書面に対して返済義務を認める旨の返信をすると、時効が更新されてしまう可能性があります。
優遇措置の案内
催告状
通告書
利息全額免除での一括返済案
減額和解の提案
アイフルから以上のような書面が届いたら、自己判断をせずに弁護士などの専門家に相談してください。
3-2. 内容証明郵便で督促を受けた場合
民法第150条では「催告があったときは、その時から六カ月を経過するまでの間は、時効は完成しない」と定められています。つまり、アイフルから「催告」を受けた場合は、時効の完成が6カ月間は猶予されることになります。
アイフルの「催告」は、債務者に借金の支払いを督促する内容の書面が届くことが多いです。督促内容を記載した書面がいつ債務者に届いたかが重要となるため、書面の記載内容や配達日を客観的に証明できる内容証明郵便で送付されることが一般的です。
そのため、アイフルから内容証明郵便を受け取っている場合は、時効の完成が6カ月間は猶予されている可能性が高いと言えます。
3-3. 訴訟を起こされた場合
訴訟や支払督促などが提起されると、手続が終了するまでの間は時効の完成が猶予されます。つまり、最終取引日から5年間が経過する前に訴訟や支払督促などが提起されると、訴訟などの手続中に5年間が経過しても時効は完成しません。
そして、訴訟や支払督促などで返済義務を認める旨の結論が確定すると、その時点で時効は更新され、その後の時効期間は訴訟などの結論が確定してから10年間となります。
4. アイフルの借金の時効が完成しているかどうかを確認する方法
それでは、アイフルの借金について時効が完成しているかはどのように確認すればいいでしょうか。ここではその確認方法を説明します。
なお、時効が完成しているかを確認するために自己判断でアイフルに直接連絡をすると、そのやり取りの内容次第では「権利の承認」をしたとして時効が完成しなくなる危険があるため注意が必要です。
4-1. 最後の返済日を確認する
時効は、原則として最終取引日(最後に借金を返済をした日または一度も返済をしていない場合は最後の借入日)から5年間が経過することによって完成します。そのため、時効が完成しているか確認するためには、まず最終取引日がいつであるのかを確認する必要があります。
預貯金口座の履歴、振込書、返済予定表などで最終取引日を確認する方法もありますが、最も確実な方法はアイフルに取引履歴の開示を求めることです。
ただし、自分でアイフルに連絡をして取引履歴の開示を求めると、その際のやり取りによっては「権利の承認」に該当してしまう可能性があります。長い間、アイフルとやりとりをしていない場合には、弁護士などの専門家に対応を任せるのがよいでしょう。
4-2. 内容証明郵便を受け取った日付を確認する
「催告」を受けると、6カ月間は時効の完成が猶予されます。催告は内容証明郵便を用いてされることが多いため、アイフルから内容証明郵便を受け取ったことがある場合は、内容証明郵便をいつ受け取ったのかを確認する必要があります。
受取人が受け取った封筒や文面には、受け取った日は記載されていません。内容証明郵便を受け取った正確な日付がわからない場合は、文面に記載されている差出日から受取日を推測します。
なお、差出人であるアイフルは郵便局から配達証明を受領するため、配達日を把握できます。
4-3. 訴訟の有無を確認する
裁判所から訴状や支払督促が届いている場合は、すでに訴訟などが起こされています。その際、訴訟などが起こされたのが時効完成後に起こされたのか、もしくは時効完成前に起こされたのかを確認する必要があります。
訴訟が時効完成後に起こされたのであれば、消滅時効を援用する旨の反論を行えば、借金を返済する義務が消滅します。一方、訴訟が時効完成前に起こされたのであれば、訴訟中に時効期間が経過したとしても時効は完成せず、借金の返済義務を認める旨の結論が確定します。判決が下されるとその時点で時効は更新され、その後の時効期間は訴訟などの結論が確定してから10年間となります。
裁判所からの書面を受け取ったことがある人や、時効期間が経過していると思うものの、アイフルから訴訟などを起こされたことがあるかどうかがわからない人は、弁護士などの専門家に相談してください。


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5. アイフルの借金の時効を援用するメリット
アイフルに対して消滅時効を援用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
5-1. 借金の返済義務がなくなる
消滅時効が完成しており、アイフルに対して時効を援用する旨の意思表示をすると、アイフルに対して借金を返済する義務がなくなります。アイフルのみからしか借金をしていなかった場合は借金の負担が消えますし、アイフル以外の他社からも借金をしている場合でも負担が軽くなります。
5-2. 手続きにかかる費用や手間も少ない
任意整理や自己破産と比較すると、消滅時効援用の手続きは簡易で手続きの手間が少なく済むため、専門家に依頼した場合の費用も低額で済むことが多いです。弁護士費用は5万円前後に収まることがほとんどです。
5-3. 信用情報が回復する
時効援用をすると、信用情報機関に登録されているアイフルの情報が削除されます。
株式会社日本信用情報機構(JICC)では、時効が成立すると過去に遡って完済扱いとなり、1~2カ月で事故情報から削除されることが多いようです。
一方、株式会社シー・アイ・シー(CIC)では時効成立後も異動情報が5年間残るケースがありますが、異動発生日が空欄の場合はすぐに削除されることもあります。
信用情報の回復には時間がかかる場合もあります。時効援用後に住宅ローンやクレジットカードの審査を受ける際は、信用情報の開示請求をして事故情報が削除されているか確認することをおすすめします。
6. アイフルの借金の時効を援用する手続き
アイフルの借金の時効を援用するときは、まず最終取引日がいつであるのか確認する必要があります。最終取引日がいつであるかがわからない場合でも、弁護士などの専門家に依頼をすれば、アイフルから取引履歴の開示を求めることで最終取引日がいつであるのかを確認できます。
次に、時効が完成している場合は、消滅時効を援用する旨を記載した内容証明郵便をアイフル宛に発送します。送付先はアイフルの本社または請求書などに記載されている住所です。
時効を援用する旨の記載ができているかなどについては、発送前に弁護士などの専門家に確認してもらいましょう。専門家に依頼をすれば、文章作成から内容証明郵便の発送手続きまで任せることができます。
7. アイフルの借金の時効を援用する際の注意点
アイフルの借金を時効援用する際に気を付けるべきことは、時効完成前のアイフルとのやりとりです。
最終取引日から5年間が経過していないなどの理由で時効が未完成にもかかわらず、アイフルに対して借金の返済義務を負っていることを前提とする時効を援用する旨の意思表示をするのは得策ではありません。後日、アイフルから「権利の承認があったので時効が更新した」と主張をされるリスクがあります。
そのため、時効援用の意思表示をする際は、弁護士に相談するなどして時効が完成しているのかをきちんと確認するとともに、「権利の承認」があったとの主張がされないように文面を工夫しておくことが重要です。
8. アイフルの借金の時効を援用するなら弁護士や司法書士に相談を
時効を援用する際には、弁護士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
専門家であれば、時効が完成しているかどうかを的確に判断してくれます。また、内容証明に記載する文面の作成や内容証明郵便の発送手続きを任せることもできます。
時効が完成している場合は、内容証明郵便で時効援用の意思表示をする必要がありますが、多くの人は内容証明郵便を発送した経験はないのではないでしょうか。内容証明郵便では、決められた書式・様式に基づき時効援用の意思表示をする必要があり、形式や内容に不備があると借金の返済義務は消滅しません。
加えて、専門家に依頼することで、誤った対応によって時効が完成していたのに時効の援用ができなくなったという事態を防ぐメリットもあります。
時効が完成した後であっても、アイフルに対して「権利の承認」をすると時効が更新され、借金の返済義務が消滅しなくなる可能性があります。そのため、時効が完成した後も、時効の援用の意思表示をして借金の返済義務が消滅するまでは慎重な対応が必要であり、その際に専門家は大きな力になってくれます。
9. アイフルの借金の時効に関するQ&A
Q. アイフルの借金の時効を援用すると、信用情報はどうなる?
アイフルの借金を時効援用すると借金は完済状態となり、事故情報が削除されます。その結果、信用情報は回復します。
Q. アイフルの借金の時効援用は、自分でできる?
自分で時効援用を行うことも可能です。しかし、誤って「権利の承認」をしたために時効が完成しなくなったり、文面が時効を援用する内容となっていなかったりすることで、借金の返済義務が消滅しない危険性があります。そのため、弁護士などの専門家に依頼する方が安心で確実です。
Q. アイフルの代理人弁護士から書面が送られてきたらどうすべき?
アイフルの代理人弁護士から書面が送られてきても、対応の流れに変わりはありません。時効が完成しているかを確認し、時効が完成していれば、内容証明郵便で時効を援用する旨の通知を送ります。
Q. 訴訟(裁判)でも時効を援用できる?
訴訟でも、時効が完成していれば時効を援用する旨の意思表示をすることで、借金を返済する義務が消滅します。
Q. アイフルから督促が来たものの、身に覚えがない場合はどうすべき?
アイフルから借金をしたことがないにもかかわらず、督促が来た場合は詐欺の可能性があるので、すぐに警察に連絡をしてください。
ただ、直接アイフルから借りたことがなくても会社合併の関係で、株式会社シティズや株式会社ライフから借りたものがアイフルから督促されている可能性もあります。そのため、督促状に記載された連絡先には連絡せずに、アイフルのホームページに記載されている連絡先に連絡をして借金の有無を確認してください。
10. アイフルの借金は時効によって消滅することも|返済に悩んでいたら相談を
アイフルの借金の返済義務は、一定期間の経過によって消滅させることができる可能性があります。
仮に時効が完成していない場合でも、借金問題に悩んでいる場合には、任意整理などの方法で借金の負担を軽くすることができます。
初回相談時などに無料の時間を設けている事務所も多いので、アイフルの借金に悩んでいる人は、弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめします。
(記事は2025年8月1日時点の情報に基づいています)


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